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プロ野球

【楽天】梶原昂希のブレイクスルーも引き出した観察眼。クジラの魂を引き継ぐ下園辰哉のコーチング論とは「しっかりと選手を見続けて…」

萩原孝弘

2025.03.23

今季から楽天に新天地を求めた下園コーチ。写真:萩原孝弘

今季から楽天に新天地を求めた下園コーチ。写真:萩原孝弘

☆横浜ブルーからクリムゾンレッドへ

 プレーヤーとして11年、コーチとして4年。YOKOHAMAのユニホームに袖を通し続けた下園辰哉は、初めてクリムゾンレッドのユニホームに身を包んだ。慣れ親しんだ横須賀スタジアムだが、シンメトリーに位置する三塁側ベンチに身を置く姿に、ファンはちょっとした違和感を覚えた。

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 しかし本人は「本当に違和感ないんですよ。監督もコーチもスタッフさんも、めちゃくちゃやりやすい環境を作って頂いて、スッと入り込めました」としっかりと切り替えている。そこにはチームメイトだった監督の渡辺直人の存在に加え「同じバッティングコーチの(高井)雄平もいるので、わからないことはなんでも教えてくれるんですよ」と同級生のサポートにも感謝し、日々若き選手の指導にあたっている。

☆“師”と仰ぐ田代富雄からの金言

 そんな下園のコーチとしてのポリシーは「しっかりと選手を見続けて、選手からアドバイスを求められたときにワンポイントでアドバイスができる準備を常にしておくことです。これは田代(富雄・現DeNA野手コーチ)さんから頂いた言葉なんです」と名伯楽として知られる“師”からの金言を実行していると明かす。「コーチになったときにそう言っていただきましたが、僕は現役時代から田代さんの指導を肌で感じていましたしね。今までもこれからも続けていきます」と“クジラの魂”の継承を誓う。

 田代コーチも「オレが選手の時から感じていたことがあったから、選手の嫌がることはやらない。バッティング練習も見てないでいい加減なこと言われたらそりゃアタマにくるでしょ。また自分は不器用だから、きちんと見ていないと選手の状態がわからなくなっちゃうし、じっと見ていれば何かを感じられるからね。いい加減なアドバイスはしたくないし、知ったふりして適当なことは言えない」と自らのコーチ論を告白する。

 下園が現役時代には「キャンプの時に当時の中根(仁)コーチといい練習をやっていたの。でも開幕1か月ぐらいでちょっと調子を落とした時に、キャンプの練習をもう一度やってみると思い出すことがあるんじゃないかって話もしたね。ほかにも色々話したけどね」と観察からの指導を裏付けるエピソードも披露。これからは「自分なりに感じながら、こうしようというモノをあいつなりに見つけて行ったほうがいいよ」と弟子にエールを送った。
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