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MLB

ヤンキースファンの大ブーイングにショックを受けて生中継出演や取材対応をドタキャン? ニューヨークで加熱する一方の“ソト狂騒曲<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.20

古巣ヤンキースとの対戦で10打数1安打に終わったソト。大ブーイングが堪えたか?(C)Getty Images

古巣ヤンキースとの対戦で10打数1安打に終わったソト。大ブーイングが堪えたか?(C)Getty Images

 先週末の3日間、ニューヨークはフアン・ソトの話題で持ちきりだった。昨季までヤンキースに在籍していた球界屈指のスラッガーが、メッツの一員としてサブウェイ・シリーズでブロンクスに“凱旋”したからだ。

 昨オフ、FAとなったソトは、15年7億6500万ドルというプロスポーツ史上最高額の超大型契約でメッツへ移籍。球界最高の名門球団の慰留を袖にして、よりによって同じ街のライバルチームへ去ったソトにヤンキースファンは激怒した。メッツ移籍の報が流れた瞬間、ソトのユニフォームに火をつけて燃やしたファンもいたほどだった。

 5月16日(現地)、ヤンキー・スタジアムに帰ってきたソトを、ブロンクスのファンは手荒い歓迎で迎えた。ソトが第1打席に入ると大ブーイングが巻き起こっただけでなく、右翼席に陣取っていたファンの多くが「お前の顔なんか見たくない」とばかりに、一斉に背を向けたのだ。

 この仕打ちにショックを受けたのか、ソトは3連戦で4つの四球は選んだもののヒットは単打1本のみと見せ場を作れず。2勝1敗と勝ち越したヤンキースファンは大いに留飲を下げたのだった。

 実際、ソトにとってヤンキースファンの大ブーイングは予想以上に堪えたらしい。シリーズ終了後、今度はベテラン記者のボブ・クラピッシュがNJ.comに寄せた記事が大きな反響を呼んでいる。

 記事によると、3連戦の最終日、ソトはESPNの『サンデー・ナイト・ベースボール』の生中継中にMic'd up(ユニフォームに差し込んだ小型マイクを通じて、試合中に選手が放送席とやり取りするもの)に出演することがきまっていた。ところが、「アーロン・ジャッジやメッツ移籍について聞かれるのにうんざりしたから」という理由でドタキャン。さらに、試合後の取材も「家族と会った後に対応する」と話したまま球場を去り、記者たちに待ちぼうけを食らわせたという。
 さらにクラピッシュはメッツの球団関係者がソトの「熱意のなさ」に懸念を抱いているとも言及。この3連戦で最も楽しそうにしていたのはヤンキースの旧友たちと談笑している時だった、と綴ってメッツファンの不安を煽った(?)。

 そうかと思えば、ヤンキース傘下の放送局YESの名物アナウンサー、マイケル・ケイもポッドキャストで「ソトは本当にヤンキースに残りたかった。メッツを選んだのは家族が望んだからだ」と発言。また、ニューヨークのラジオ局のパーソナリティは「ソトが他のチームメイトとは別にプライベートジェットで移動している」と発言する(のちに事実誤認であることが判明)など、ソトを取り巻く報道は過熱の一途をたどっている。

 憶測に基づく報道に尾ひれがつき、噂が噂を呼ぶ...いかにもニューヨークならではの光景とも言えるが、それもこれも元をたどれば、ソトのここまでの成績がいまひとつ振るわないことに原因がある。46試合で打率.246、8本塁打、OPS.822。決して悪い数字ではないが、「史上最高額契約男」としては物足りないのは事実。

“雑音”を払拭し、メッツファンを安心させるためにも、一日も早い大爆発が求められる。

構成●SLUGGER編集部

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