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MLB

度重なる怪我→手術できず→消化不良の想い抱えメキシコ挑戦へ…国吉佑樹が“進撃をやめない理由” 「どれだけプラスにできるかは自分次第」

萩原孝弘

2026.01.13

☆恩師の絆も感じメキシコへ

 そして年が明けた8日、吉報が届いたのはメキシコの『サルティーヨ・サラペメーカーズ』からだった。

 思えば国吉のキャリアを語るうえで欠かせないのは、2017年オフに就任した大家友和コーチとの出会い。メジャー5球団を渡り歩き、通算51勝をマークしたパイオニアの指導は、くすぶっていた大型右腕を開花させる一因となった。
 
「カットボールの取得だけではなく、技術的な話や海外での経験などいろいろ話してもらいました。その中で大家さんからも『そこを目指して欲しい』なんて言葉ももらい、僕もその気持ちが出てきましたね」

 ストーリーは2018年オフに武者修行で参加したオーストラリアンリーグに続いていく。「みんなが楽しんで野球をやっていて。結果だけにとらわれないで自分がやりたいようにできました」。

 また移籍先のロッテは吉井理人監督が率いており、大家コーチと吉井監督の関係性もあった。
「メジャーで同じチームでやっていたので、トレードになったときも吉井さんに言っとくよという感じで送り出されました。少なくともその方たちの影響は受けています」

 心の奥に持ち続けた海外志向は、メジャー経験者の指導者のもとで、さらに膨らんでいった。

 そして現実となった海外での挑戦。大家コーチが目指せと言っていたメジャーとは違う形となったが、「メキシコはどんな野球をやるのだろうかを学べますよね。何を感じることができるのか」と“楽しむ”姿勢を全面に打ち出す。

 もちろん不安もある。「治安も良くないですし。アパートに住むのですが、そこから球場への移動はどうするのかとかもわからないですから。野球が終わってから家に帰る道中とかも…。また契約も本当にシビアです。すぐリリースされる可能性もあります」。

 それでもそれを凌駕する思いがある。「結果を残せばどんどん良くなる契約です。実力を試したいですよね。外国人ばかりのなかで、日本に来ているようなタイプのバッターなのか、それとも全然違うのかを自分の中で見つけて、研究して、勝負したいですね」

「(昨年は)怪我ばかりで消化不良で終わってしまったことも、引退する気持ちにならなかったところでもありますしね」。その言葉には、ピッチャーの本能が宿る。

 その先に見据えるものもある。「メキシコに行くことだけでもマイナスにはならないです。そこをどれだけプラスにできるかは自分次第。より良いものを吸収して持ち帰って来られたら、今後何かに活かせますから」。そこには己を高めてくれた、経験豊富な恩師の姿も重なって見えた。

 ベイスターズの暗黒時代に現れた育成出身のパイオニア。進撃ストーリーの第二章は、大陸編へと続いていく。

取材・文●萩原孝弘
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