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侍ジャパン

アジアのライバル韓国を見事に下す。接戦の流れを引き寄せた種市圧巻の3者連続三振【WBC侍ジャパン・ゲームレポート:第2戦】

氏原英明

2026.03.08

 明らかに試合の空気が変わる瞬間だった。種市は話す。

「いい場面で投げたいとは思っていましたけど、点を取られてはいけないシチュエーションだったので、自分の持ち味の出せていい流れを持ってこれたんじゃないかなと思ってます」

 普段は先発ピッチャーの種市だが、1イニングという中でのマネジメントは圧巻というほかなかった。「三振を取れることが僕が代表に呼ばれた理由」。そう語るように、狙っていたようだ。

 種市が自身の持ち味を出しながらもうまく活用したのがメジャー式と言われるストライクゾーンだ。実は今大会はストライクゾーンの高めをストライク判定することが多い。合宿中からもアドバイザーのダルビッシュ有(パドレス)による進言もあり、選手たちは常に意識下においていた。種市自身も狙っていた。

「審判が高めのまっすぐをすごい取っていたので、個人的には投げやすかった。ボールをふかしてもいいと思うぐらいの気持ちで投げていましたね。ゾーンに強いボールを投げてフォークボールは低く、それしか考えずにマウンドに上がりました。」

 宮崎キャンプの合宿中から種市が投じるフォークは評判だった。「種市さんの真っ直ぐとフォークの、あのコンビネーションは出せないです。回転数もそうですけど、回転軸とか変化量などあれはえぐいっす」。高橋宏斗(中日)はそう説明したが、同じく2大会連続出場になる宮城大弥(オリックス)たち投手陣はトラックマンの数値を見て絶賛するほどだった。
 
 試合の流れを大きく手繰り寄せる快投劇。種市は手応えを口にする。

「千葉ロッテでもリリーフやっていたことがあって、負けてる展開でも同点の展開でも、いいピッチングしたら裏の攻撃がいい流れになるっていうのはすごく感じたので、そこは自分的には一番の仕事ができたんじゃないかなと思っています。」

 種市が好投を見せると、直後の7回裏、韓国の投手陣が崩れた。

 先頭の牧秀悟(DeNA)が四球で出塁すると、代走・牧原大成を送り、続く源田壮亮(西武)が犠打を決めた。9番・坂本誠志郎に代打・佐藤輝明を送った。こちらは一塁ゴロに終わったが、走者は三塁へ。1番の大谷は申告敬遠。韓国は投手を左腕のキム・ヨンギュにスイッチしたが、近藤健介(ソフトバンク)、鈴木と連続四球を選んで勝ち越しの1点が入った。明らかに韓国の投手陣は根を上げていた。そして、4番・吉田がセンター前に追加の2点タイムリー。これで試合の趨勢は大きく決まった。8回に登板した松本裕樹こそ1点を失ったものの、9回は大勢が見事にクロージングして接戦をものにした。

 大会を勝ち抜く中では必ず「ビハインドゲーム」というものに遭遇する。その中でどう勝利に繋げていくかはチーム力が試されている場面でもある。序盤の乱打戦に応戦した侍ジャパンの打撃。立て直した投手陣、そして、今度は空中戦ではなくつなぎの野球に徹して相手を突き放した。ハイレベルな試合運びと言えるだろう。

 大谷もチームメイトたちの団結する力に舌を巻く。

「本当に全員に雑さがないというか。ピンチでもチャンスでも自分のプレー、自分の打席に集中できてるっていうのが1つ結果としてはいいのかなと思います。短期戦中はタフなゲームっていうのが何試合か必ずあるとは思うので、そういうゲームをものにして、チームとして結束力であったり、チーム力っていうのが上がる気はするので、そういう意味では本当に今日の試合を取れたことはすごく大きい。一人ひとりが本当に素晴らしい働きだったと思います」

 アジアのライバルに2連勝。侍ジャパンが予選突破を大きく手繰り寄せた。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。

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