オリックスはジョーンズが入って、これが機能したら攻撃力は上がると思います。ピッチャー陣も若い人が育ちつつある。ただ、キャッチャー陣はまだ安定感がないんですよね。そこがもうちょっと上がってくれば、Ａクラス入る力はあると思うんだけどね。

　評論家になって４年目なんですが、実は過去３年はオリックスをＡクラスに入れていたんです。でも、さすがにこれだけ裏切られたら（笑）、とりあえず１つ落としておこうかなと思って。一人ひとりの選手を見るといいのがいるんですよ。それが一つになった時は強いチームになると思います。

　日本ハムは何だかんだでしぶとい選手が多いですよね。野手も投手も。清宮幸太郎がどこまで成長するかもカギになる。彼が３割30発打ったとしたら、上位に来る可能性もあるでしょうし。怪我がちょこちょこあるので物足りないですよね。１年間出続けて、どれぐらいの数字が出るかっていう。まずはそこをやってもらいたいです。それが２年、３年続いた時に、どれだけの選手になるか。まずは１年出ることからですよね。
  　ロッテは、不気味な存在であることは確かなんですよ。順位をつけないといけないので６位にしましたけど。セ・リーグ同様、２位から６位まではどこが来るか分からない。

　ただ、福田秀平と美馬学を補強しましたけど、ここはちょっと微妙なんですよ。福田は１年間出たことがない選手だから。１年間使い続けて、どれくらいの成績を残せるのかは未知数。美馬も、絶対的なエースかと言われたら、そうじゃない。これまでも楽天で10勝10敗。良くて２個、３個の貯金ができるピッチャーなので。それが開幕投手というところに層の薄さを感じます。主力がいないんですよ。皆、脇役のような感じだから。でも不気味は不気味ですよ。

解説●谷繁元信

【プロフィール】
たにしげ・もとのぶ／1970年生まれ。江の川高では強打の捕手として活躍し、88年ドラフト１位で横浜大洋に入団。98年にチーム38年ぶりの日本一に貢献し、2002年に中日へＦＡ移籍。常勝球団の屋台骨としてチームを支えた。通算3021試合出場のプロ野球記録を保持。14年～16年途中までは中日の監督を務めた（14～15年は選手兼任）。