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プロ野球

【世代別で見るプロ野球】2人のメジャーリーガーを輩出した「雄星・筒香世代」と人気者揃いの「山田・千賀世代」

氏原英明

2020.03.29

 92世代はとにかく実力者・人気者が多い。トリプルスリーを史上最多の3度も達成した山田哲人(ヤクルト)を筆頭に、昨年ノーヒッターを成し遂げた千賀滉大(ソフトバンク)、2年連続セーブ王の山崎康晃(DeNA)と、侍ジャパンの常連でファンからの人気も高いスタープレーヤーが居並ぶ。

 日本ハムのスピードスター・西川遥輝やソフトバンクの強肩捕手・甲斐拓也、源田壮亮&外崎修汰の西武の二遊間コンビ、阪神でキャプテンを務める糸原健斗もこの世代だ。投手ではクローザーとしてカープのリーグ3連覇に大きく貢献した中崎翔太、昨季のパリーグ最多勝投手・有原航平(日本ハム)もいる。
 
 個人的に、この世代で特に印象深いのは関西の高校出身の4選手だ。イの一番に有名になったのは、智弁和歌山高出身の西川。入学直後の県大会で4試合連続の本塁打を放って話題の選手となり、その年の夏から甲子園出場を果たしている。高校2年夏の甲子園には、西川とともにP L学園の吉川大幾(現巨人)と天理高の中村奨吾(現ロッテ)も出場した。

 実は、この時点で山田(履正社高)の名前を知る関係者はそれほど多くなかった。彼の名が一気に聞こえてくるようになったのは、3年春の大阪府大会から。この大会で優勝すると、夏は前年秋に敗れた吉川擁するPLにリベンジを果たして甲子園出場。甲子園では初戦で、小・中学時代から同じリーグにいた中村がいた天理と対戦。ここで天理を破って、一気にトップ評価を得るようになったのだ。

 その山田は今季中に国内FA権を取得の見込みで、数年前からMLB移籍の噂も囁かれている。また、千賀、山崎、有原、西川の4人はすでにメジャー志望を公の場で口にしている。

 近い将来、88世代や89世代に取って代わる世代になるかもしれない。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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