専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

【MLB今日は何の日】アーロンの通算715号に松井秀喜のメジャー初本塁打、そして大谷の快投!

出野哲也

2020.04.08

 5番・レフトでニューヨークにお目見えした松井は、第1打席は二塁ゴロ、第2打席は四球。そして5回の第3打席は一死満塁の絶好の場面で回ってきた。フルカウントからジョー・メイズの投じたチェンジアップを力強く振り抜いた打球は、右翼席へ飛び込むメジャー第1号。電光掲示板にはカタカナで「ホームラン」の文字が映し出された。ヤンキー・スタジアムでの最初の試合で満塁本塁打を放ったヤンキースの選手は、松井が初めて。引退後も、松井は日本時代も含め最も印象に残っているホームランとして、この一撃を挙げている。

 18年には、投手と打者の二刀流として日本野球に革命を起こした大谷翔平がロサンゼルス・エンジェルスに入団。3月29日に指名打者として初出場し、4月1日のオークランド・アスレティックス戦では先発投手として初勝利。3日からは打者として3試合連続本塁打を放っていて、すでに相当な話題になっていた。
 
 それでもなお、投手としての2試合目は異様とも言える興奮を巻き起こした。アスレティックスとの再戦となったこの日は、最速160キロの速球に加えてフォークボールが面白いように落ち、打者はまさしく手も足も出ない状態。初回はすべて空振りで三者三振、5回も再び空振りの三者三振。6回まで11三振を奪い一人の走者も出していなかった。

 まさか完全試合――? その期待が高まってきた7回一死、マーカス・セミエンへ投じた80球目が、三遊間を抜けていき大記録の夢は潰えた。その後二死二・三塁の危機も迎えたが、12個目の三振で切り抜け、7回無失点で2勝目。試合後の談話もいつも通り冷静で「打たれていないのは知っていましたが、(打たれても)特に何もなかったです」。大谷の才能、そして二刀流の可能性に疑問を差し挟む声はこれで消えてなくなった。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

【PHOTO】艶やかに球場を彩るMLBの「美女チアリーダーズ」!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号