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MLB

【2010年代30球団通信簿:ナ・リーグ中地区】どの球団の評価も平均以上の激戦区。だが、唯一の最高評価を得られたチームは?

城ノ井道人

2020.04.15

13年、それまで20年続いていた負け越しをついにストップさせたパイレーツ。その過程は書籍『ビッグデータ・ベースボール』にまとめられてベストセラーとなった。(C)Getty Images

13年、それまで20年続いていた負け越しをついにストップさせたパイレーツ。その過程は書籍『ビッグデータ・ベースボール』にまとめられてベストセラーとなった。(C)Getty Images

▼ミルウォーキー・ブルワーズ
【評価】まずまずです(B)

 スモールマーケット球団ながら10年間の勝利数はカブスを上回り、プレーオフではリーグ優勝決定シリーズに2度出場。勝負どころを抑えた補強で成功を収めた。

 最初のピークは2011年。ライアン・ブラウン&プリンス・フィルダーの生え抜き大砲コンビを軸とした強力打線に、トレードでザック・グレインキーを補強して29年ぶりの地区優勝を果たした。フィルダーがFAで流出して戦力がダウンしたと見るや、翌夏にグレインキーを素早く放出した。15年オフにGMとなったデビッド・スターンズは40人ロースターの約半数を入れ替える大ナタを振るったが、この時もトラビス・ショウら格安補強を成功させた。そして17年オフにFAでロレンゾ・ケイン、トレードでクリスチャン・イェリッチを補強し、18年にワールドシリーズ進出まで1勝と迫る健闘。予算規模からすれば大健闘の10年間だった。
 
▼ピッツバーグ・パイレーツ
【評価】まずまずです(B)

 1990年代からの長期低迷が続く中、2009年にデビューしたアンドリュー・マッカッチェンが主力に成長。11年、12年と終盤の大失速で勝率5割を逃すも13年、ついに北米四大スポーツ史上最長の連続負け越し記録を20年で止めるとともに、1992年以来のプレーオフ出場を果たした。マッカッチェンはMVPも受賞して球界屈指のスターとなった。

『ビッグデータ・ベースボール』で描かれたように、フレーミングに長けたラッセル・マーティン獲得に加えてゴロ系投手+堅守の内野陣の組み合わせで失点を防いだのが躍進の要因で、14、15年も10月の舞台に立ったが、その後は歯車がかみ合わず停滞。17年オフのマッカッチェン放出は地元ファンの激しい怒りを買い、翌年の観客動員が一気に50万人近くも激減してしまうなど、再び負の連鎖に陥りつつある。
 

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