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プロ野球

侍ジャパンの4番もそうだった…アマチュア野球ウォッチャー西尾典文が選ぶ「予想以上にプロ野球で成功した選手」とは?

西尾典文

2020.05.24

 鈴木とともにカープを支える菊池涼介もプロでの成長に驚かされた選手だ。09年4月の岐阜学生野球春季リーグ戦で彼のプレーを初めて見たが、お目当ては菊池ではなかった。元中日スカウト部長の法元英明さんから中京学院大に150キロを投げる投手がいると聞き、その噂の主である池ノ内亮介(2010年広島育成2位)を見に行った時にショートを守っていたのが、当時2年生の菊池だった。

 シートノックでは確かに素早い動きを見せていたものの、試合ではそれほど難しくない打球をエラーにするなど、まだ粗いという印象が残っている。打撃では3番を打ち、タイムリーを含む2安打を放ったが、バットの動きの大きさが気になり、高く評価する気にはなれなかった。菊池本人もプロ入り後、2年春のリーグ戦後に召集された大学日本代表候補合宿で意識が変わったと話しているが、この試合のプレーを見て後に日本を代表するセカンドになるとは夢にも思わなかった。
 
 そして、アマチュア時代の印象が最も薄く、プロで一流選手となったのが中島卓也(日本ハム)だ。正直に言うと、「印象が薄い」というよりも「ない」と言った方が正確だろう。中島を見たのは2008年4月に行われた高校野球の春季九州大会で、福岡工高の2番ショートとして出場している。チームのエースは三嶋一輝(現DeNA)で、140キロ台のストレートと鋭く変化するスライダーは間違いなく超高校級だった。1回戦で対戦した清峰高には当時2年生の今村猛(現広島)が好リリーフを見せ、こちらも強く印象に残っている。

 この試合、中島は第2打席でライト前ヒットを放ち、第4打席では今村からセーフティバントを決めているが、プレーに関する記録は何も残っていない。翌日の沖縄尚学との試合も4回から見ているが、この試合でも中島に関するメモは残っていない。日本ハムの山田正雄GM(現スカウト顧問)に後で聞いた話だが、日本ハムは早くから中島に目をつけており、山田GMも三嶋を見に行くふりをして中島のプレーを見ていたそうである。
 

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