ブラゼルは10年に球団歴代３位、甲子園のラッキーゾーン撤去後では最多の47本塁打を量産。一塁は14年に打点王を獲得したゴメスも捨て難い。マートンは実働６年で首位打者１回、最多安打３回と安打製造機ぶりを発揮した。10年間の長きにわたって在籍したメッセンジャーとともに、日本文化を積極的に受け入れようとする姿勢で広く人気を集めた。

　先発投手４人はいずれも防御率リーグ５傑入りを経験。中でもタフだったのがメッセンジャーで、10年代の全投手最多の1604イニングを投げ、サウスポーの能見と長らく左右の両輪として投手陣を引っ張った。近年は深刻な制球難に苦しんでいる藤浪だが、高卒１年目から３年連続２ケタ勝利は並みの投手にできることではない。
  　10年代の大半を通してチームの強みとして機能したブルペンでは、藤川と“石直球”の呉に加えて、選外とはなったがドリスも最多セーブのタイトルを獲得。17年に最優秀中継ぎ投手に輝いた桑原謙太朗の活躍も見事だった。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら／1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から３年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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