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プロ野球

【氏原英明の本音で勝負!】救援左腕不足の西武。3連覇のためにはすぐにでもトレードで補強するべき

氏原英明

2020.07.06

 高橋光成が先発したこのゲームは、打線の爆発があって11対3で快勝した。一見、山賊打線を前面に打ち出しての勝利だが、不安要素が顔を出したのもまた事実だった。

 西武は2回にスパンジェンバーグの満塁弾で4点を先制。ソフトバンクは3回に2点を返したが、西武は3回から1点ずつ加点して突き放した。

 ところが6回表、ソフトバンクは疲れの見える高橋光成が無死からヒットと四球で走者を貯め、5番・長谷川勇也に大きなレフトフライを打たれると、辻発彦監督はここで平井克典にスイッチ。平井は1点こそ失ったもののそれ以上傷口を広げなかった。

 問題はここからだ。6回裏、西武は1点を追加。8対3で迎えた7回に誰をマウンドに送るのか、ブルペンで誰が準備しているのかを注目して見ていた。一人は平良海馬、もう一人は、この日昇格したばかりの左腕・小川だった。7回表のソフトバンク打線は、9番の三森大貴から3番の柳田悠岐まできれいに左が並んでいた。

 ここで辻監督が審判に告げたのは平良の名前だった。
 
 小川が準備を始めるのが遅かったため、最初から「7回は平良」と決めていたのかもしれない。とはいえ、点差が点差である。

 5点リードの7回で、左打者が並ぶ状況でサウスポーが登板しない。

 辻監督の采配云々ではなく、この事実は西武の投手陣に対左打者用の信頼されている左投手がいないと宣言しているようなものだ。辻監督はようやく2日のオリックス戦になって小川を緊迫した場面で起用したのだが、ようやく踏み切ったという印象は拭えなかった。

 その中で起きたのが、冒頭のオリックス戦での逆転劇だったのである。

 楽天が池田を獲得したことが、この先のシーズンにどのような影響を与えるのかは興味深い。日本ハムは現在、ブルペンに4人のサウスポーを並べ、ソフトバンクも同数を配置している。

 では、サウスポー事情に苦しい西武はどうするのだろう。

 佐野泰雄、斎藤、野田昇吾ら二軍調整中のメンバーに期待するのか、それとも、川越誠司や鈴木将平の台頭で飽和状態になった外野陣を交換要員としてトレード補強を検討するのか。いずせにせよ、早急な手立てがチームに求められているのは間違いない

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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