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プロ野球

開幕2連勝でも“エースじゃない”髙橋光成、素質は抜群だが“勝てない”今井達也。西武の未来を担う二人に科せられた課題とは

氏原英明

2020.07.07

シュート回転する悪癖が出てしまう今井は、その素質の高さを生かしきれていない。写真:田口有史

シュート回転する悪癖が出てしまう今井は、その素質の高さを生かしきれていない。写真:田口有史

 一方、開幕前は「ダルビッシュ有のようだ」、「ライオンズのエース」ともてはやされた今井達也は、この2試合苦しんでいる。

 緒戦となったソフトバンク戦は初回に4失点を喫する最悪のスタート。結果的に5.2回12安打7失点でマウンドを下りた。2戦目のオリックス戦は5回までノーヒットの好投を見せたものの、6回に集中打を浴びて4安打4四死球5失点でK Oされている。

 100%のボールは髙橋光に引けを取らない。いや、球速だけでいえば、今井の方が勝っている。だからこそ、開幕前の練習試合での評価が軒並み高かったわけだ。しかし、当時からも、そして今も垣間見せているのは、投球ごとのフォームのばらつきだ。髙橋光も時折のぞかせる、速球がシュート回転するケースが今井の場合はとにかく多いのだ。

 投げているボール自体は悪くない。しかし、フォームの不安定さが今の2連敗という結果を招いてしまっている。
 
 前節、西武はオリックスとの6連戦を負け越した(2勝3敗1分)。

 カード頭となった髙橋光が救援陣を仰ぐから、その歪みを後ろへ招いてしまった。確かに辻監督は是が非でも初戦を取ろうとするため、早め早めの継投になっている面はある。しかし、髙橋光、今井のどちらがエースと呼べるような存在感を出せるようになれば、救援陣の負担は減り、それがカード全体の趨勢にも影響を及ぼすようになるのは間違いない。

 二人の先発が連日(火曜、水曜)になっているのは、競い合ってほしいという首脳陣の想いがあるからだろう。

 勝ち星という結果は出ているものの、まだエースの存在感が出ていない髙橋光、そして素質はあるものの未勝利に終わっている今井。

 この1年は、彼らが脱皮していくためのシーズンになるのだろうか。首脳陣はもちろん、ファンやジャーナリストの間で、「エースはどっち?」論が交わされるようになるのが理想である。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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