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MLB

大谷翔平が輝くのは「投手専念」。打者としては“中の上”、投手ならサイ・ヤング賞も狙えるはず

豊浦彰太郞

2020.08.12

アマチュア時代からメジャーは投手・大谷を高評価。実働は短くとも、1年目にも鮮烈な輝きを見せた。(C)Getty Images

アマチュア時代からメジャーは投手・大谷を高評価。実働は短くとも、1年目にも鮮烈な輝きを見せた。(C)Getty Images

 しかし、それでもこの数値や順位は傑出したものではないし、将来MVP級の活躍を期待したくなるレベルではない。われわれが大谷に驚嘆するのは、投手との兼務でこれだけの結果を残したからだ。打者としての大谷翔平は、まだ成長の可能性はあるものの、かなりの打力が求められる指名打者、一塁手、または外野手としては中の上の域だと思う。

 一方、投手としてはどうか。「怪我さえなければ」という前提に立つが、投手・大谷はMLBで積み上げた実績こそないが、実力はメジャー有数だと思う。微妙な制球力には欠ける一方、100マイルの速球と鋭いスライダー、絶品のスプリッターの組み合わせは、サイ・ヤング賞を狙えるレベルにある。実際、MLB.comのデータ分析家もその投球の素晴らしさについてデータ解析している。
 
 そして実際、2018年の2ヵ月間という短い期間の中で、投手・大谷の実力はある程度、証明したと言えるだろう。思い出してほしいのだが、高校時代、プロ野球時代において、メジャーが大谷に注目したのは投手の資質だった。ずば抜けた大投手が「結構、打撃もいけるらしい」ということだった。あくまでメジャー的視点からは、打力は付随する魅力だったのだ。

 彼がNPBでのプレーを継続していれば、最終的に落ち着くところは打者専念だと思うし、そうすべきだ。基本的に打者より投手の方に人材を多く輩出するのが日本球界なので、その方が彼にとっても球界にとっても良いことだ。

 しかし、大谷はもうメジャーリーガーだ。彼が憧れの地でより輝く存在になり得るのは、打者よりも投手に専念した場合だろう。

文●豊浦彰太郞

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