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プロ野球

オリックス山崎が20年の現役生活にピリオド。引退試合でも持ち味のインサイドワークを存分に発揮!【オリ熱コラム2020】

どら増田

2020.11.07

「全くいい数字も残せず、歯痒い思いばかりさせてしまったと思いますが、僕にいただいた声援は一生忘れません」

 会見を“自虐”で締めくくった山崎だったが、その後の試合で8回にネクストバッターズサークルに姿を見せると、場内からは声援が止まないほどだった。代打に送り出された山崎の目には再び涙が浮かんでいた。プロ最後の対戦相手は、杉浦稔大(日本ハム)。鳴りやまぬ声援と拍手の中で、初球は大きくフルスウィング。結局サードゴロに倒れたが、場内からはひときわ大きな拍手が贈られた。
 
 しかも、出番はこれで終わりではなかった。最終回、山崎はそのままマスクを被り、この回から登板の鈴木優の球を受けることに。リードはわずか1点。しかも、昨年のドラ1ルーキー、先発の宮城大弥のプロ初勝利がかかる大事な場面で、山崎の持ち味であるインサイドワークが輝いた。先頭の1番・樋口龍之介を見事三振に打ち取り、続く杉谷拳士もレフトフライ。大田泰示にこそ二塁打で出塁を許したが、4番の中田翔はセンターフライに打ち取って、無失点の好リードで試合を締めくくり、宮城のプロ初勝利、そして鈴木のプロ初セーブを置き土産に最後の試合を終えた。

 試合後には、同じく今シーズン限りでユニフォームを脱ぐ小島脩平、松井祐介とともに、引退セレモニーも行われた。山崎に花束を手渡したのは、比嘉幹貴とディクソン。2人は、山崎曰く「痺れる場面で何度も組んだ相手」。両手に花束を抱えたまま、山崎は固い握手で戦友に別れを告げた。そして、最後はチームメイトたちから胴上げされ、3度宙を舞った。

 球団からは、「もう少し力を貸して欲しい」と言われているという。本人も「次の仕事をしっかり頑張ります」と前向きな姿勢で、今後は誰からも慕われる指導者として、オリックスをリーグ優勝に導いてもらいたい。

文⚫︎どら増田

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