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プロ野球

パ1位×セ2位、セ1位×パ2位の「たすきがけ形式」でクライマックスシリーズのさらなる活性化を

藤原彬

2020.11.29

 CS制度のメリットを残しながらデメリットを軽減するためにはどんなアイデアがあるだろうか。一案として、リーグの上位2チーム同士によるたすきがけフォーマットの可能性を考えたい。今年を例に取れば、「ソフトバンク(パ・リーグ優勝)対阪神(セ・リーグ2位)」と「巨人(セ・リーグ優勝)対ロッテ(パ・リーグ2位)」の組み合わせでCSを戦い、勝利したチームが日本シリーズに出場する、というものだ。

 まず、各リーグのCS出場を2枠にすることで、勝利5割未満のチームが進出する可能性はほとんどなくなる(事実、現プレーオフ導入後に、借金を背負ったまま2位になったチームも存在しない)。ファーストステージ分の収益が減るとはいえ、CSの不平等感を最も強く感じさせるこの部分こそ、真っ先にメスを入れる必要があるだろう。
 
 現状では、ファイナルステージでリーグ優勝チームに無条件で与えられる1勝のアドバンテージも解消したい。アドバンテージを導入した08年以降、シーズン下位のチームが勝ち抜いたケースはセ・リーグが2回、パ・リーグも3回しかなく、ハンデとしては重過ぎた。ただでさえ戦力の劣る下位チームへの重しは、「何のためにCSを行うのか」との思いを助長させる以上の役目を果たしていないように映る。ハンデとしては「全試合ビジターのシリーズで、他リーグの優勝チームを破らなければならない」くらいが適切ではないだろうか。

 その条件を満たしたチームであれば、たとえシーズン2位でも日本一を争う力量と資格を備えていると考えたい。仮にリーグ優勝チームが敗れたとしても「他リーグの2位より力がなかった」と折り合いがつけられる。少なくとも、現行の制度のように、同リーグの順位が劣るチームに足元をすくわれるよりは、不条理感は薄れるのではないか。
 

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