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高校野球

【センバツ出場校の実力番付】大阪桐蔭が頭一つ抜けた存在。二番手グループの3校は…〈SLUGGER〉

西尾典文

2021.02.02

 これに続くのが常総学院、健大高崎、県岐阜商、東海大菅生の4校だ。秋の関東大会では健大高崎が優勝を果たしているが、春は投手力がモノを言うためあえて常総学院を上とした。秋本璃空、大川慈英とともに140キロ台中盤のスピードを誇る本格派右腕を二枚揃えていることが何よりも大きく、2人をリードする強肩捕手の田辺広大の存在も心強い。少し攻撃面で雑なところはあるものの、得点力の高さも十分だ。

 健大高崎は出場校でも指折りの強力打線が持ち味。以前の機動破壊のイメージはなくなり、1番の堀江晃生、3番の桜井歩夢、4番の小沢周平などを中心に長打力で圧倒する攻撃で2年連続秋の関東大会を制した。秋は故障でベンチ外だった本格派右腕の今仲泰一の復調が初優勝へのカギとなりそうだ。

 2年連続東海大会準優勝の県岐阜商も好チームだ。プロ注目の大型捕手、高木翔斗は攻守に安定したプレーを見せ、下級生の頃から多くの登板経験がある野崎慎裕、松野匠馬を中心とした投手陣も力がある。鍛治舎巧監督の采配にも注目だ。
 
 東京を制した東海大菅生もエース左腕の本田峻也、2年生ながら大器の片鱗が伺える大型右腕の鈴木泰成と左右の好投手2人を擁する。秋の都大会では背番号二桁の選手も多く活躍しているように選手層も厚く、上位進出を狙える戦力はありそうだ。

 前頭以下のチームでは大会ナンバーワンの呼び声高い小園健太と強肩強打の松川虎生のバッテリーを誇る市立和歌山、大型右腕の達孝太を擁する天理、投打に高い能力を誇る阪上翔也がチームを牽引する神戸国際大付、全国屈指の左腕である木村大成のいる北海など投手力が強いチームが目立つ。また東海大相模、明豊、敦賀気比、明徳義塾などの常連校も上手く勢いに乗れば勝ち上がる可能性は十分だ。

 個々の能力の高さと選手層の厚さを考えると、やはり大阪桐蔭が一歩リードしていることは間違いない。しかし全体的に力のある投手は多く、その投手が疲れていない段階でぶつかると大阪桐蔭でも苦しめられる可能性は高いだろう。2月23日に行われる組み合わせ抽選会ではそのあたりにもぜひ注目してもらいたい。


文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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