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MLB

【現地発】LA地元記者は大谷翔平の今シーズンをどう見ている?健康状態を保てればMVPも…

JP・フーンストラ

2021.04.01

事実上、最後の二刀流選手だったのは“神様”ルース。大谷は今季、神の再現なるだろうか。(C)Getty Images

事実上、最後の二刀流選手だったのは“神様”ルース。大谷は今季、神の再現なるだろうか。(C)Getty Images

 ただし、2021年の大谷に考えられるシナリオは実は少ない。怪我をせずに二刀流を貫き通せるか、そうでないかの二つに一つだ。健康な時の大谷は、投手としても打者としても見る者に畏怖の念を抱かせるほどの存在だ。投打の才能を組み合わせれば、MVP級の選手と言ってもいい。

 一方で、故障を抱えている時の大谷がどうなるか、エンジェルスは身をもって知っている。今年もまた故障で離脱するようなことがあれば、大谷自身だけでなく二刀流という壮大な実験そのものの実効性に疑問が投げかけられるだろう。

 打者として200回以上打席に立ち、投手として100イニング以上投げる――1918、19年のベーブ・ルース以来、誰もやってのけたことがないことを大谷に期待するのはフェアではない。史上偉大な選手とされているルースと同じことを、果たして大谷はできるのだろうか?
 
 大谷とルースを比較するのはフェアでないとしても、自身との比較なら問題ないだろう。26歳の大谷は、投手としても打者としても肉体的に全盛期を迎えようとしている。今年が二刀流選手として最高の成績を残す最後のチャンスかもしれない。

 もちろん、トミー・ジョン手術復帰後初のフルシーズンだけに、苦境を迎える時もあるだろう。それでも、シーズンは162試合ある。最終的に大谷は、「球界で最もエキサイティングなプレーヤー」としての地位を確立するとともに、「最も価値の高い選手」、すなわちMVPとして投票者に認められるまでになる可能性も十分ある。

文●JP・フーンストラ

【著者プロフィール】
JP・フーンストラ。サザンカリフォルニア・ニュースグループに所属し、『オレンジカウンティ・レジスター』紙などに寄稿。全米野球記者協会会員。著書に『50 Greatest Dodger Games of All Time』。ツイッターアカウントは@jphoornstra
 
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