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プロ野球

ファームでくすぶる小林誠司を獲得するチームは現れるのか。巨人以外の11球団の捕手事情は?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.04.29

 では、パ・リーグはどうだろうか。

ソフトバンク:甲斐拓也(29歳)/1億6500万円
ロッテ:田村龍弘(27歳)/7000万円
西武:森友哉(25歳)/1億6000万円
楽天:太田光(24歳)/1700万円
日本ハム:清水優心(24歳)/2400万円
オリックス:頓宮裕真(24歳)/900万円

 まず、ソフトバンクと西武はそれぞれ甲斐、森がチームで絶対的な地位を占めている。また、オリックスでは強打が売りの頓宮が台頭。過去数年、正捕手を務めていた若月健矢が現在は3番手という位置付けで、捕手は補強ポイントではない。

 一方、ロッテ・日本ハム・楽天なら、小林が出場機会を得られる可能性はある。ロッテは27日の試合で田村が左太腿裏を負傷し、全治1か月と診断された。元々、控えの層も決して厚いとは言えず、全体的に捕手が手薄な状況になっているのは事実だ。日本ハムはそもそも正捕手不在の状況。清水は昨季、守備で大きく苦戦していて、DeNAと同じように他の捕手も決め手に欠ける。

 楽天の正捕手・太田は小林と同じ広陵高の出身で、強肩が持ち味で打撃はいまひとつという点も共通。ただ、春季キャンプで田中将大から指摘されたように、フレーミングに難を抱えている。その点では、フレーミングにも定評のある小林が割って入る余地はあるかもしれない。
 
 ただ、小林の場合、ネックになるのは推定1億円という高年俸だ。しかも、契約は22年まで残ると言われている。また、出場機会はそれなりにありそうなDeNA、楽天、ロッテ、日本ハムのうち、楽天以外の3球団はそこまで資金力が潤沢なチームではない。というより、現在の小林に年俸1億円の価値があると考える球団はおそらくないだろう。

 MLBでは、このようなケースで放出側が年俸を負担することがよくある。たとえば、残り2年間で巨人が4000万円ずつ負担すれば、獲得側球団が支払うのは6000万円×2で済む。これなら、トレードが成立する可能性は多少は高くなる。ただしその場合、小林が移籍先で復活し、直接対決で巨人相手に活躍でもしようものなら、マスコミの餌食となるに違いない。

 もっとも、そうした声を悠然と受け流せるのもまた原監督くらいのもの。もちろん、財布の紐を握っているのは監督ではなく球団だが、「選手に働き場所を与えることは大事なことだと思う」との持論を持つ原監督が、日本球界ではほとんど例のない裏技を使って小林に「働き場所」を用意する可能性はあるだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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