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プロ野球

開幕1ヵ月で「サプライズ」をもたらした6人!韋駄天がわずか3盗塁、6本塁打を量産のルーキー…<SLUGGER>

藤原彬

2021.04.27

ソトやオースティンら助っ人が出遅れる中、新人ながら攻守に存在感を発揮した牧(右)。一方、周東(左)は首位を走るチームにあって自慢の足が低迷している。写真:田口有史

ソトやオースティンら助っ人が出遅れる中、新人ながら攻守に存在感を発揮した牧(右)。一方、周東(左)は首位を走るチームにあって自慢の足が低迷している。写真:田口有史

 プロ野球開幕から1か月。ここまで、周囲の予想を大きく上回る活躍を見せている選手がいる一方で、確固たる実績を誇りながらまさかの不振に苦しんでいる選手もいる。意外な「サプライズ」をもたらしている6人の選手を紹介しよう。

■牧秀吾(DeNA)
 話題豊富な今年のルーキーでも、ピカイチの輝きを放っている。外国人選手の合流が遅れたチームで開幕から3番に座ると、11試合で猛打賞4回の好発進。わずか1か月で、大学4年間の通算5本塁打を上回る6本(リーグ2位)をスタンドに放り込んだ。パワーを発揮するだけでなく、打率.307(6位)と18打点(4位)でも上位に顔を出す。

 元々、大学日本代表の4番を務めた実力者ではあるが、打者は投手に比べてプロへの適応に時間がかかるケースが多いため、ここまでの爆発は予想外と言っていい。守備でも当初は本職ではない一塁をこなし、二塁でも無失策を続けている。ここに来て少し勢いが落ちているが、現時点では新人王最有力候補と言っていいだろう。
 
■周東佑京(ソフトバンク)
 球界屈指の韋駄天が急ブレーキだ。ここまで、わずか3盗塁で失敗が2回。育成出身選手初の盗塁王に輝いた昨季は、50盗塁を成功させて6度しか刺されなかっただけに、数だけでなく精度の落ち込みも気になる。昨季は課題の打撃でも及第点の成績を残し、リードオフ定着をタイトル獲得に結び付けたが、今季は打率1割台で出塁率.229の低空飛行。1番打者の打撃不振は、リーグダントツのチーム打率ほどに得点が伴わない打線の状態とも無関係ではないだろう。

 ただ、昨季も7月終了時点で2盗塁だったが、以降は数を増やして、10月は23個とスパートをかけた。今季もどこかでスイッチを入れて、快足で自身もチームを加速させられるだろうか。

■中田翔(日本ハム)
 昨年の打点王が極度の不振に陥り、リーグ最下位に沈むチームの象徴になってしまっている。4月17日の楽天戦では田中将大からの先制2ランを含む2発と役者ぶりを見せつけたが、その後も打率2割を行ったり来たりとバットは湿ったまま。スタメンを外される試合もあり、不甲斐なさからベンチでバットを叩き折り、さらに転倒して右目を負傷するアクシデントにもあった。

 今年は春季キャンプから調子が上向かず、その理由として外出禁止によるストレスを挙げていたが、状況はまだ改善されそうにない。それでも、前述の試合で先発した上沢直之が語った「中田さんが打たないと駄目」は、チームメイトやファンの誰もが共有する思いだろう。
 
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