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プロ野球

故障を乗り越えて大輪の花を咲かせた5球団競合右腕・佐々木千隼の決意<SLUGGER>

村岡範子

2021.08.24

 先発から中継ぎに役割が変わったことで、マウンドに立つ心持ちも変わったのかも聞いてみた。

「役割によって気持ちは変えない方がいいと思っています。何回に投げるかだとか、ビハインドで投げるかとかでは(気持ちは)変わらないです。先発だと1点取られても次の回、次の回というのがありますけど、(リリーフは)1イニングだけなんで、そこの違いかなと思います」

 ただ、先発と中継ぎでは当然、試合への準備は変わってくる。

「先発だと投げる日が決まってて、そこに向かって上げていくんですけど、中継ぎはいつでもいけるように準備しないといけないので、まったく別です。先発も中継ぎもどっちも大変です」

 初のオールスターでは、平良海馬(西武)に「ブルペンでの準備の仕方とか、シーズン中の過ごし方」について聞いたという。自身がこれから取り入れようと思ったことはあったかと尋ねると「活かしていけるというか……僕に出来ることじゃなかったんで」という答えだったが、リリーフという役割について貪欲に学ぼうとする姿勢が見えた。
 
 後半戦が始まっても、佐々木の勢いはとどまるところを知らない。8月14日のオリックス戦、8回裏2点リードの場面で登板すると三者凡退に抑えて勝利に貢献。20、21日には2日連続で勝ち投手となって6勝とし、早くも過去4年間の合計と同じ数に達した。

「怪我をしないで、少しでも優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」と語る佐々木。「怪我をしないで」の部分に重みを感じたのは、これまで故障に悩まされてきたことを思えば気のせいではないはずだ。

 苦しみ抜いた4年間を経て、かつてのゴールデン・ルーキーが大輪の花を咲かせている。

取材・文●村岡範子

【著者プロフィール】
むらおかのりこ。1983年生まれ。軟式野球チームの監督だった父の影響で小学2年からプロ野球ファンになる。大学上京後、チアリーダーとなり、Jリーグクラブの公式チアリーディングチームのメンバーを務める。2018年から二軍観戦にハマり、可能な限り球場へ足を運ぶ。19年にスポーツサイトでNPB担当ライターを経験し、現在はフリーで活動中。

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