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プロ野球

「甘いボールを1球で仕留めないと」ロッテ期待の若き長距離砲・山口航輝が誓う後半戦のリベンジ<SLUGGER>

村岡範子

2021.08.11

豪快な打撃は魅力いっぱいの山口。後半戦は再び一軍定着にチャレンジする。写真:産経新聞社

豪快な打撃は魅力いっぱいの山口。後半戦は再び一軍定着にチャレンジする。写真:産経新聞社

 今年のオープン戦でロッテの4番を務めたのは、まだ一軍公式選手出場経験がない高卒3年目の20歳の若武者だった。

 山口航輝。秋田県の明桜高から2018年ドラフト4位で入団したスラッガーだ。高校3年夏の県大会では、金足農の吉田輝星(日本ハム)と対戦して敗れた。投手経験もあるが、高校通算25本塁打の打撃が評価されてプロの門を叩いた。

 1、2年目は二軍で修業を積んだ山口はオープン戦で持ち前のパワフルな打撃をアピール。一時は「開幕4番もあるのでは?」との報道も見られた。迎えたソフトバンクとのオープニング・ゲーム、開幕4番とまではいかなかったが、「5番・DH」で先発出場を勝ち取った。

 6回表、第3打席で石川柊太からうれしいプロ初ヒット。「開幕一軍を目指してオフから取り組んできて、本当にキャンプからオープン戦といい流れでいけた」。山口自身、成長に確かな手応えを感じていた。4月9日には髙橋光成(西武)から初ホームラン。その後もパワーを発揮し、開幕1ヵ月で4本塁打を量産した。
 オープン戦から好成績を残せたのは「去年のフェニックス・リーグで空振りを恐れずに思い切って振っていこうっていうことをテーマにして、いい感じで結果も出ました。すり足で打っていたフォームを飛距離を伸ばしたいと思って、足を上げて打つようになった」からだという。

 しかし、4月25日の第4号アーチを最後に、バットから快音が聞こえなくなった。打率は.158まで下がり、5月31日に一軍登録抹消。「自分の良さである思いきりの良さがなくなってしまったのが一番の原因だと思います。結果を出したいという思いが強すぎて、三振したくないとか、いろんなことを打席で考えてしまってなかなか結果が出なくなったと思います」。打撃不振の原因について、山口はそう分析した。

 初めて対戦した一軍の投手たちの印象も鮮烈だった。

「一番印象に残ったのは和田(毅・ソフトバンク)さんの真っすぐです。真っすぐだと分かっていても、伸びてきて全然思ったところと違うところに来て、バットにも当たらなかったので、本当にすごい投手だなと思いました。一軍のピッチャーは失投がなかなかなくて、厳しいコースに来ますし、ファームよりも甘いボールが少ないかなと感じました」
 
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