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高校野球

【評価上昇!ドラフト候補10選:野手】前川、皆川の打力は出色。捕手では中川だけでなく甲子園不出場組に原石

西尾典文

2021.09.01

●粟飯原龍之介(東京学館・遊撃手)
 実際に試合を見たのは夏の千葉大会前の練習試合だったが、評判通りスケールの大きい攻守が強く印象に残った。攻守ともにプレーの形が安定しており、180㎝という長身ながらスピードも申し分ない。甘いボールを逃さずに捉える積極性や、状況に合わせたバッティングができる点も好印象だ。今年はショートの有力選手が少ないだけに、巡り合わせによっては高い順位での指名も期待できるだろう。

●清水武蔵(国士館・遊撃手)
 東京を代表する強打の内野手。少し腕力に頼った振りになるのは課題だが、よく鍛えられたたくましい体格でヘッドスピード、インパクトの強さは目を見張るものがある。夏の西東京大会では3試合で2本塁打を含む7安打。遊撃守備もフットワークの良さが光る。下級生の頃は外野、サード、キャッチャーと、あらゆるポジションを経験しているのも魅力だ。

●皆川岳飛(前橋育英・外野手)
 甲子園では不発に終わったものの、群馬大会では3試合連続ホームランとその長打力を存分に見せつけた。筆者の見た伊勢崎清明戦でも第1打席でいきなりスリーランを放つなど3安打の大活躍。全身を使った伸びやかなスウィングは柔らかさがあり、センター中心に鋭い打球を放つ。投手としても145キロを超えるスピードを誇る強肩も大きな魅力で、全国でも屈指の外野手と言えるだろう。
 
●前川右京(智弁学園・外野手)
 下級生の頃から能力の高さはありながら不器用さも目立ったが、最後の大舞台で持ち前のパワーを如何なく発揮して強烈にアピールした。力みからのミスショットもまだ目立つものの、甘いボールを単打でなく長打、ホームランにできるのはやはり大きな魅力。特にセンター方向への打球の伸びは素晴らしいものがある。課題と見られていた守備、走塁も確実にレベルアップした姿を見せた。

●池田陵真(大阪桐蔭・外野手)
 7月3日に行なわれた高知との練習試合では森木大智に4打席連続三振を喫して心配されたが、最後はしっかり状態を上げてさすがの対応力を見せた。激しい雨となった東海大菅生戦でも集中力を切らさずに3安打をマーク。上背はなくてもフルスウィングの迫力と打球の速さは高校生離れしたものがある。センターから見せる送球の強さも魅力で、貴重な右打ちの強打者タイプとしてプロからの需要も高いだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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