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短くも濃密なメジャー12年間を過ごした名捕手バスター・ポージーが殿堂入りする日は来るのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.11.09

 だが、その一方で『MLB.com』のマーク・ファインサンド記者は「キャリアの短さは必ずしも重要ではない」と主張する。ポージーの殿堂入りの是非を問う座談会に参加したファインサンドは、「守備での負担が大きい捕手を務めながら攻守にハイレベルな数字を残したポージーにとって、プレー年数以外にマイナス要素は少ない」と主張。さらにコリジョン・ルール導入の契機になった事件を取り上げ、「MLBは彼のためにルールを変えた。そんな選手はほとんどいない」と指摘している。

 座談会にはファインサンドを含めて4人の識者が参加し、全員がポージーの殿堂入りを支持。この他の報道でも、同様の主張が大勢を占めている。しかも、「ポージーが殿堂入りするのなら、通算成績の数字が似ていて、ポージーと同様にMVPに輝いたことがあるサーマン・マンソンや、4つの世界一リングを持つホーヘイ・ポサーダ(ともに元ヤンキース)も殿堂入りすべきではないか」という意見まで飛び出すなど、他の選手にも議論が波及している。
 
 過去には、通算出場試合数がポージー(1371試合)とほとんど変わらないハンク・グリーンバーグ(1394試合)やロイ・キャンパネラ(1215試合)も殿堂入りを果たしている。グリーンバーグは13シーズンで本塁打王と打点王をそれぞれ4度獲得し、MVPも2度受賞。キャンパネラはジャッキー・ロビンソンに続いてメジャーの舞台に身を投じた黒人選手の一人で、通算10年間で242本塁打の強打と強肩を武器に、MVPを3度獲得した名捕手だ。

 殿堂入りにあたって評価されるのは、必ずしも通算成績だけではない。短いキャリアでも傑出した業績を残せば、殿堂入りは十分に可能なのだ。ポージーも、間違いなくこの条件に当てはまる。最初の投票で決まるかどうかはともかく、将来、彼のプラークがクーパーズタウンに祀られることはほぼ確実だろう。

構成●SLUGGER編集部
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