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プロ野球

16年ぶりV逸もネガティブ要素ばかりじゃない! 「まだまだ発展途上」の矢野阪神が示した“希望”とは?

THE DIGEST編集部

2021.11.14

佐藤(8番)や中野(51番)といった新人の活躍も光った。現在の阪神は育て上げてきた若手が着実に力を発揮している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

佐藤(8番)や中野(51番)といった新人の活躍も光った。現在の阪神は育て上げてきた若手が着実に力を発揮している。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 ルーキーたちの成長も感じ取れた。驚異のパワーを見せつけ、24本塁打を放った佐藤輝明は1年目からプロの明暗を体感。ドラフト2位の伊藤将司は10勝を挙げ、シーズン終盤からポストシーズンにかけては慣れない中継ぎでも好投するなど、貴重な経験値を得た。

 遊撃手の定位置を奪った中野拓夢も、ミスを補って余りある好守の数々で、先輩投手たちを救ってきた。最後は短期決戦で痛恨の失策を犯したが、本人は「ミスから逆転を許してそこの恐さを改めて感じた」と身を持って感じたワンプレーの重みを、来季以降の成長への“特効薬”にする決意だ。

 今季114盗塁は12球団トップだった。1、2番で組まれる試合が多かった近本、中野は2人で54盗塁を記録するなど、球界屈指の快足コンビとして定着。代走陣も高い成功率で試合終盤に存在感を示すなど、その機動力は矢野監督の標榜する失敗を恐れない積極的なプレースタイルの“飛び道具”として確立されつつある。
 
 さらに投手陣では、西勇輝の不振を青柳、秋山、伊藤の3人が2桁勝利を挙げてカバー。高卒2年目の及川雅貴も39試合に登板して10ホールドを挙げるなど、緊迫感ある場面での登板で力を養った。

 多少の息切れ、傷を負いながらも各々が長く険しい道をなんとか走り切った。16年ぶりのリーグ優勝に向かった最後まで戦い抜いた日々が、選手たちの未来への“投資”に変わり、チーム全体の進化に繋がると信じたい。矢野監督4年目の指揮となる2022年に、その答え合わせが待っている。

取材・文●チャリコ遠藤

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