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MLB

【2021大谷翔平の軌跡:5月】圧巻だったグリーンモンスター越えの一発。本拠地球場では「MVPコール」も<SLUGGER>

斎藤庸裕

2021.12.27

 球場に響く大声援こそが、好成績の要因の一つでもあった。「去年とやっぱり全然違いますし、(観客が)入れば入るほど、選手は頑張れると思うので、もっともっとたくさんの人の前でプレーしたいなと思います」。

 元々、大谷は大舞台や緊迫した場面でアドレナリンが出て、より一層、力を発揮するタイプ。無観客だった昨年は、故障明けでコンディションが万全でなかったこともあって、投打とも自己ワーストの成績に終わった。シーズン終了後、「どうしても気持ちが入らなかったのは多少(あった)。やっぱりファンの人の声援があるかないかでだいぶ違う」と吐露していた。それだけ、ファンの存在は二刀流・大谷にとって大きかった。

 フィジカル強化で状態も安定し、楽しくプレーする姿が目立った。本塁打を放った際に祝福する三塁コーチの手を強く叩くなど、気迫を前面に示すことも多くなった。メジャー4年目を迎えてこれまで以上に自信がみなぎり、本塁打後の「確信歩き」も板について、スラッガーの風格を漂わせるようになった。
 
 打球速度や飛距離で自己ベストを更新し、投手としても完全復活した4月。進化を結果で示し、5月はチームやファンの期待に応えるパフォーマンスで勢いづいた。

 開幕2ヵ月で打っては15本塁打、投げては制球こそ乱れがちながら7試合で防御率2.72。絶好のスタートを切り、徐々にギアを上げ、6月の大爆発につながった。
【つづく】

【動画】批判ムードを一蹴!MVP受賞した大谷翔平の全46本塁打を一挙振り返り!

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
 
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