<広島>
●黒原拓未(投手/関西学院大)
【一軍でリリーフとして40試合登板】
セ・リーグの1位指名6人の中で、最も早く一軍の戦力になりそうなのが黒原だ。4年秋はチーム内のコロナ感染で調整が遅れて不本意な成績に終わったものの、1年春から主戦として投げ続けてきた実績には安心感がある。全身を使った躍動感あふれるフォームで好調時のストレートは150キロを超え、変化球とコントロールも年々着実にレベルアップしてきた印象だ。
担当の鞘師智也スカウトもコメントしているように、先発よりリリーフが向いているように見える。イメージとしては中日や阪神で中継ぎとして活躍した高橋聡文がピッタリ当てはまるだろう。昨年フル回転した森浦大輔クラスの成績(54登板/防御率3.17/17ホールド)を残せば言うことなしだが、まずは一軍で40試合登板クリアを目安としたい。
<中日>
●ブライト健太(外野手/上武大)
【二軍で300打席&10本塁打】
大学生のドラフト1位だが、結果を残したのは4年春だけで、まだまだ攻守に粗削りなことを考えると、まずは二軍で経験を積む一年になることが予想される。2位の鵜飼航丞ともども、期待されているのが長打力だ。過去に堂上直倫、高橋周平がスラッガーの素材として期待されながら年々打者としてのスケールが小さくなっていったことを考えると、まずこだわるべきはホームランを含む長打ではないだろうか。
三振と打率は度外視してでも、まずは遠くへ飛ばすことにフォーカスする方が、今のチーム事情にはマッチしているはず。過去10年を振り返ってみても、二軍で2ケタ本塁打を放った日本人選手はチームに1人もいないだけに、ブライトにはまずその“壁”をクリアすることが一つの目安になるだろう。
<DeNA>
●小園健太(投手/市立和歌山高)
【二軍で15先発、60イニング。後半戦に一軍先発デビュー】
チーム待望の高卒エース候補。コントロールと投球術は高校生離れしたものがあり、プロ入り時点の完成度は奥川恭伸(ヤクルト)に匹敵するものがある。ストレートの平均球速は少し物足りなさが残るものの体格的なスケールは十分で、プロ入り後にまだ速くなる可能性も高い。
期待されるのは当然、将来の先発ローテーションの柱となることだ。高卒だけに焦りは禁物だが、故障がなければ二軍で積極的に先発として起用したい。成績的な目標は森木と同様の数字としたが、全体的な完成度は小園の方が上。順調にいけば後半戦に先発として一軍デビューも視野に入れたいところだ。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
●黒原拓未(投手/関西学院大)
【一軍でリリーフとして40試合登板】
セ・リーグの1位指名6人の中で、最も早く一軍の戦力になりそうなのが黒原だ。4年秋はチーム内のコロナ感染で調整が遅れて不本意な成績に終わったものの、1年春から主戦として投げ続けてきた実績には安心感がある。全身を使った躍動感あふれるフォームで好調時のストレートは150キロを超え、変化球とコントロールも年々着実にレベルアップしてきた印象だ。
担当の鞘師智也スカウトもコメントしているように、先発よりリリーフが向いているように見える。イメージとしては中日や阪神で中継ぎとして活躍した高橋聡文がピッタリ当てはまるだろう。昨年フル回転した森浦大輔クラスの成績(54登板/防御率3.17/17ホールド)を残せば言うことなしだが、まずは一軍で40試合登板クリアを目安としたい。
<中日>
●ブライト健太(外野手/上武大)
【二軍で300打席&10本塁打】
大学生のドラフト1位だが、結果を残したのは4年春だけで、まだまだ攻守に粗削りなことを考えると、まずは二軍で経験を積む一年になることが予想される。2位の鵜飼航丞ともども、期待されているのが長打力だ。過去に堂上直倫、高橋周平がスラッガーの素材として期待されながら年々打者としてのスケールが小さくなっていったことを考えると、まずこだわるべきはホームランを含む長打ではないだろうか。
三振と打率は度外視してでも、まずは遠くへ飛ばすことにフォーカスする方が、今のチーム事情にはマッチしているはず。過去10年を振り返ってみても、二軍で2ケタ本塁打を放った日本人選手はチームに1人もいないだけに、ブライトにはまずその“壁”をクリアすることが一つの目安になるだろう。
<DeNA>
●小園健太(投手/市立和歌山高)
【二軍で15先発、60イニング。後半戦に一軍先発デビュー】
チーム待望の高卒エース候補。コントロールと投球術は高校生離れしたものがあり、プロ入り時点の完成度は奥川恭伸(ヤクルト)に匹敵するものがある。ストレートの平均球速は少し物足りなさが残るものの体格的なスケールは十分で、プロ入り後にまだ速くなる可能性も高い。
期待されるのは当然、将来の先発ローテーションの柱となることだ。高卒だけに焦りは禁物だが、故障がなければ二軍で積極的に先発として起用したい。成績的な目標は森木と同様の数字としたが、全体的な完成度は小園の方が上。順調にいけば後半戦に先発として一軍デビューも視野に入れたいところだ。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。