■ソフトバンク:大物助っ人すら特別扱いはなし! 熾烈な二遊間はサバイバル
藤本博史新監督が「レギュラー当確」としたのは、捕手の甲斐拓也にライトの柳田悠岐、レフトの栗原陵矢の3人のみ。特にキャンプでの「焦点」と明言したのは二遊間争いだ。メジャー通算109本塁打の大物助っ人ガルビスですら「特別扱いはしない」としている。
遊撃は昨季、レギュラーの今宮健太がOPS.538と打撃低迷。二塁は5年目の三森大貴が主に担ったが、定位置を固めたとは言い難い。怪我からの復活を期す周東佑京や、外野も守れるユーティリティの牧原大成とおなじみの顔ぶれは両方のポジションでレギュラー奪取を狙う。
とくに遊撃争いはなおさら熾烈だ。俊足と守備に定評のある25歳の子連れルーキー野村勇や、攻守で堅実さを見せる19歳の川原田純平がキャンプの一軍メンバーに大抜擢されている。藤本監督がキャンプのテーマを「競争」と位置づけている通り、熾烈な定位置争いが日本一奪回のカンフル剤となる可能性は高い。
■日本ハム:新庄監督招聘で機運は上向く。清宮は一塁で定位置をつかめるのか
新庄剛志新監督の招聘でチームの雰囲気自体は上向いたが、助っ人を積極補強しても、西川遥輝ら主力の放出で戦力的には未知数。再浮上には若手の成長が不可欠だが、なかでも期待が高いのがプロ5年目を迎える清宮幸太郎だ。
昨季は二軍で最多タイの19本塁打を放ちながらプロ入り後初めて一軍出場なし。キャンプは二軍にあたる「BOSS組」でのスタートで、定位置奪取のためには、かなりのアピールが求められる。とはいえ、チャンスは十分ある。
昨季、一塁で最く多く出場した高濱祐仁の成績は107試合で打率.262、8本塁打、OPS.695。メジャーで30本塁打以上打ったこともある新助っ人ヌニェスも正一塁手候補だが、こちらはコロナ禍で来日時期未定。キャンプ、オープン戦でしっかり結果を残せば、開幕戦のスターティングメンバーに清宮の名前があっても決して驚きではない。
新庄新監督からの直々の減量指令を見ても、ポテンシャルへの期待は高い。いきなり新型コロナ感染で出ばなをくじかれた恰好ではあるが、バットで“ビッグボス”以上の話題を作ることを目標にして、5年目のキャンプに臨みたい。
【動画】図抜けた身体能力を発揮! ソフトバンク新大物助っ人ガルビスの好守シーン ■西武:若手のリードオフ争い
秋山翔吾がメジャーへ去った20年以降はリードオフが定まらず、打線の得点力がめっきり落ちている。昨季序盤はルーキーの若林楽人が1番に定着し、わずか44試合で20盗塁を決めて話題をさらったが、左膝前十字じん帯損傷の重傷。源田壮亮や外崎修汰に任せればある程度の計算は立つが、打線全体の向上にはさほどつながらない。
そもそも、山賊打線の1番に求められる役割はスピードよりも、森友哉や山川穂高、中村剛也らポイントゲッターにつなぐ“出塁能力”。その意味では、二軍で4割を超える出塁率を記録した鈴木将平に期待したい。ポジションも絶対的なレギュラーがいないセンターということで、一石二鳥になり得る。
また、一軍では壁にぶつかったものの、川越誠司も選球眼には定評がある。開幕に間に合うかどうかは微妙だが、もちろん若林も復活を狙っている。若手の先頭打者定着が“山賊打線”再生のカギを握るはずだ。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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藤本博史新監督が「レギュラー当確」としたのは、捕手の甲斐拓也にライトの柳田悠岐、レフトの栗原陵矢の3人のみ。特にキャンプでの「焦点」と明言したのは二遊間争いだ。メジャー通算109本塁打の大物助っ人ガルビスですら「特別扱いはしない」としている。
遊撃は昨季、レギュラーの今宮健太がOPS.538と打撃低迷。二塁は5年目の三森大貴が主に担ったが、定位置を固めたとは言い難い。怪我からの復活を期す周東佑京や、外野も守れるユーティリティの牧原大成とおなじみの顔ぶれは両方のポジションでレギュラー奪取を狙う。
とくに遊撃争いはなおさら熾烈だ。俊足と守備に定評のある25歳の子連れルーキー野村勇や、攻守で堅実さを見せる19歳の川原田純平がキャンプの一軍メンバーに大抜擢されている。藤本監督がキャンプのテーマを「競争」と位置づけている通り、熾烈な定位置争いが日本一奪回のカンフル剤となる可能性は高い。
■日本ハム:新庄監督招聘で機運は上向く。清宮は一塁で定位置をつかめるのか
新庄剛志新監督の招聘でチームの雰囲気自体は上向いたが、助っ人を積極補強しても、西川遥輝ら主力の放出で戦力的には未知数。再浮上には若手の成長が不可欠だが、なかでも期待が高いのがプロ5年目を迎える清宮幸太郎だ。
昨季は二軍で最多タイの19本塁打を放ちながらプロ入り後初めて一軍出場なし。キャンプは二軍にあたる「BOSS組」でのスタートで、定位置奪取のためには、かなりのアピールが求められる。とはいえ、チャンスは十分ある。
昨季、一塁で最く多く出場した高濱祐仁の成績は107試合で打率.262、8本塁打、OPS.695。メジャーで30本塁打以上打ったこともある新助っ人ヌニェスも正一塁手候補だが、こちらはコロナ禍で来日時期未定。キャンプ、オープン戦でしっかり結果を残せば、開幕戦のスターティングメンバーに清宮の名前があっても決して驚きではない。
新庄新監督からの直々の減量指令を見ても、ポテンシャルへの期待は高い。いきなり新型コロナ感染で出ばなをくじかれた恰好ではあるが、バットで“ビッグボス”以上の話題を作ることを目標にして、5年目のキャンプに臨みたい。
【動画】図抜けた身体能力を発揮! ソフトバンク新大物助っ人ガルビスの好守シーン ■西武:若手のリードオフ争い
秋山翔吾がメジャーへ去った20年以降はリードオフが定まらず、打線の得点力がめっきり落ちている。昨季序盤はルーキーの若林楽人が1番に定着し、わずか44試合で20盗塁を決めて話題をさらったが、左膝前十字じん帯損傷の重傷。源田壮亮や外崎修汰に任せればある程度の計算は立つが、打線全体の向上にはさほどつながらない。
そもそも、山賊打線の1番に求められる役割はスピードよりも、森友哉や山川穂高、中村剛也らポイントゲッターにつなぐ“出塁能力”。その意味では、二軍で4割を超える出塁率を記録した鈴木将平に期待したい。ポジションも絶対的なレギュラーがいないセンターということで、一石二鳥になり得る。
また、一軍では壁にぶつかったものの、川越誠司も選球眼には定評がある。開幕に間に合うかどうかは微妙だが、もちろん若林も復活を狙っている。若手の先頭打者定着が“山賊打線”再生のカギを握るはずだ。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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