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侍ジャパン

日本戦で登板か?プレミア12アメリカ代表の最速98マイル右腕は海軍兵学校出身の変わり種

宇根夏樹

2019.11.11

 全米から集まったエリートを士官候補生として育成する海軍兵学校で、ソンは急成長を遂げた。今や速球は最速98マイルに達する。今シーズンはプロ入りまでに14先発して94.0イニングを投げ、161三振を奪って防御率1.44を記録した。マイナーリーグの1A-でも、7先発して17.0イニングで19奪三振、防御率1.06と好投した。与四球率はどちらも3.00未満なので、荒れ球タイプというわけでもない。

 ドラフトの数日後には、全米で最も優秀なアマチュア選手に贈られるゴールデン・スパイク賞のファイナリスト4人にノミネートされた(受賞は逃した)。他の3人は、今年のドラフトで全体4位までに指名されている。もちろん、ソンの指名が4巡目・全体137位と遅かった理由は、彼の特殊な経歴にあることは間違いない。
 
 もし、予定通り来年から兵役に就くとしたら、しばらく野球とはお別れになる。それだけに、今回のプレミア12への本人の意気込みも、並々ならぬものがあるはずだ。ちなみにオープニングラウンドでは2試合に登板して、2イニングを無失点。ドミニカ共和国戦では1イニング3奪三振の好投を見せている。

 いずれにせよ、レッドソックスの先物買いは数年後に大当たりとなるかもしれない。今からその日が待ち遠しい。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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