●田島善信（星城高／182㎝・76㎏／右投右打）

　全国的には無名の存在だが、投打で高い素質を誇る最速146キロ右腕。本格的に野球を始めたのは中学からで、陸上部も兼任していたという異色の経歴を持つ。しかも昨年までは主に外野手で、投手を本格的に始めたのは新チームになってからだという。

　にもかかわらず、躍動感あふれるフォームは経験の浅さをまったく感じさせず、ストレートはコンスタントに140キロ台中盤を計時。スライダーなど変化球のレベルも高く、６月頭に行われた天理高との招待試合では６回２失点とうまくまとめた。チームは春夏通じて甲子園出場はないが、県大会では昨年秋、今年春と２季連続でベスト４に進出しているだけに、悲願の初出場に向けてその右腕にかかる期待は大きい。
  ●森山暁生（阿南光高／182㎝・84㎏／左投左打）
　
　昨年夏は２年生ながら徳島大会の４試合を一人で投げ抜き、チームを甲子園出場に導いた。今春は県大会決勝で敗れたものの、準々決勝の池田辻高戦では１試合20奪三振完封勝利と成長をアピール。完投が増えている影響もあってか、全体的なスピードは140キロ前後が多いものの、ここ一番で力を入れた時には140キロ台中盤までスピードアップし、ボールの勢い、角度ともに素晴らしいものがある。

　また、100キロ前後のスローカーブと110キロ台のカーブ、チェンジアップなど緩いボールを使うのも上手い。県内には鳴門高、徳島商高など強力なライバルも多いが、昨年に続いて２年連続の甲子園出場を勝ち取れるかに注目だ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間300試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所（PABBlab）」でも多くの選手やデータを発信している。

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