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高校野球

【春季大会で大きく成長した高校生野手5選】智弁和歌山“優勝捕手”・渡部は打撃が進歩、日本航空石川の巨漢スラッガーも注目<SLUGGER>

西尾典文

2022.06.16

●藤田大清(花咲徳栄高/外野手/187㎝・82㎏/右投左打)
 スケールの大きさが魅力の大型外野手。昨秋の関東大会では初戦で東海大相模高に敗れ、藤田自身もノーヒットに終わったが、その悔しさをバネに大きく成長を遂げた。ゆったりと大きく構え、タイミングのとり方に余裕があるのでボールを長く見ることができる。スムースな振り出しでヘッドの走りも良く、軽く振っているようでも飛距離が出るのが長所だ。

 また、長いリーチを上手くたたんで内角もさばき、対応力の高さも備えている。この春の県大会では打った瞬間にそれと分かる満塁ホームランを放つなど、その長打力を遺憾なく発揮した。花咲徳栄高は7年連続でプロ野球選手を輩出しているが、その記録を伸ばせるかは藤田のこの夏の活躍にかかっていると言えそうだ。
 
●井坪陽生(関東一高/外野手/177㎝・90㎏/右投右打)
 東京を代表する外野手で、運動能力の高さと長打力を兼ね備える。昨秋までは力はあるものの、それを持て余している印象だったが、この春は確実性が大きく向上した。以前よりもバットを高く上げて大きく構えるようになり、打撃のスタイルは中島宏之(巨人)と重なるものがある。リストの強さに加えて身体の回転も鋭くなり、少し厳しいコースでも軽々と強く引っ張ることができるようになった。

 投手も兼任しており、肩の強さも申し分ない。春の関東大会では4試合で6安打、すべてが長打と持ち味を十分に発揮した。プロでも貴重な右の強打者タイプだけに、夏も高い注目を集めることになるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間300試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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