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高校野球

【春季大会で大きく成長した高校生投手5選】苫小牧中央・斉藤はドラフト上位も狙える? 大阪桐蔭を破った武元も順調にステップアップ<SLUGGER>

西尾典文

2022.06.16

今春に飛躍を遂げた高校生投手は誰?苫小牧中央の斉藤(左)はプロ注目の右腕、元陸上部の田島(右)もしっかりとステップアップしている。写真:西尾典文

今春に飛躍を遂げた高校生投手は誰?苫小牧中央の斉藤(左)はプロ注目の右腕、元陸上部の田島(右)もしっかりとステップアップしている。写真:西尾典文

 目玉となるドラフト候補が不在と言われた今年のセンバツ高校野球。4月からは全国各地で春季大会が行われ、ようやく最後となった東北大会も終了したが、どんな顔ぶれが有望株として浮上してきたのか。投手、野手それぞれ5人ずつピックアップして紹介したいと思う。今回は投手編だ。

●斉藤優汰(苫小牧中央高/189㎝・91㎏/右投右打)

 この春、全国的に見て最も注目を集めた投手と言えるのが斉藤だ。北海道内では昨年秋から評判だった大型右腕だが、一冬を超えてスピード、コントロール、変化球すべてにおいて大きく成長した。室蘭支部予選準決勝・鵡川高戦では、最速151キロをマークして17奪三振1失点完投。続く全道大会初戦では、昨夏に敗れた北海高を相手に被安打3、11奪三振2失点完投と見事なリベンジを果たしたのだ。

 190cm近い長身から投げ下ろすストレートはコンスタントに145キロを超え、数字に見合う威力もある。また、支部予選では不安定だった変化球も全道大会では明らかに精度が上がっていた。スケールの大きさは今年の高校生でも一、二を争う存在であり、順調にいけばドラフト上位指名の可能性も高いだろう。
 
●武元一輝(智弁和歌山高/187㎝・88㎏/右投左打)

 昨年夏の甲子園でいきなり147キロをマークして注目を集めた大型右腕。秋は安定感に欠け、県大会で和歌山東高に敗れて選抜出場を逃したものの、その悔しさをバネにこの春は大きく殻を突き破った姿を見せている。

 ストレートは平均球速アップし、コンスタントに145キロ前後をマーク。課題だった変化球もスライダー、カットボールがともに打者の手元で変化するようになり、明らかにレベルアップ。春の近畿大会決勝では4回無失点の好投を見せ、大阪桐蔭高の公式戦連勝を29でストップさせた。同学年の塩路柊季に安定感があるだけに背番号17を背負っているが、夏はエースとしての活躍に期待したい。

●吉川悠斗(浦和麗明高/184㎝・70㎏/左投左打)

 埼玉県内では昨年秋からにわかに注目を集めていた大型左腕で、春の県大会では味方の援護がなく初戦で敗れたものの、14奪三振1失点完投と実力の片鱗を見せた。まだまだ線が細く、ステップの幅も狭いが、上半身の力を上手く抜いてスムースに腕が振れるのが大きな長所。左右に軸が振れることなく、直線的に体重移動できるため高校生の大型サウスポーにしてはコントロールも安定している。

 110キロ台のカーブと120キロ台のスライダーで緩急をつけることができ、どちらのボールも右打者の外角に狙って投げられるのも長所だ。スピードは130キロ台後半が多く、身体つきを見ても直接プロ入りというタイプではないように見えるが、貴重な左投手だけに夏も注目を集めることになるだろう。
 
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