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プロ野球

GG9回の中日・大島洋平の「守備力」は、巨人ウォーカーよりも下!? 名手に忍び寄る“劣化”の兆候

THE DIGEST編集部

2022.06.25

守備が下手すぎて話題を集めているウォーカー。その彼よりも大島がまさか……。写真:徳原隆元

守備が下手すぎて話題を集めているウォーカー。その彼よりも大島がまさか……。写真:徳原隆元

 その点、レフトは守備の難易度がぐっと下がる。また、このポジションにはいわゆる守備が得意な選手は少ないため、他のポジションでマイナスだった選手でも、相対評価で違いを作りやすくもなる。おそらく、立浪監督もそうした期待を寄せていたはずだ。

 しかし、あの大島がレフトというポジションでUZR-5.3と大きくマイナスに落ち込むとは完全なる誤算だっただろう。しかも、ウォーカーや佐野恵太(DeNA/-4.3)、ロハス・ジュニア(阪神/-2.0)といった、お世辞にも守備がうまくない選手たちよりもUZRが下、両リーグワーストにとどまることも、決して予想できなかったはずだ。

 UZRは先に挙げたARMの他に守備範囲を示す「RngR」、失策抑止による貢献「ErrR」
などが構成要素になっている。“全盛期”の大島もARMでの貢献は平均レベルだったが、打球判断の良さやスピードで広範囲をカバーし、RngRで大きなプラスを生み出していた。ところが、守備の責任範囲が狭くなったレフトにあってRngRが-3.4と、レンジ面でも後れを取ってしまっている。
【動画】まだまだスピードは健在! 大島洋平が通算250盗塁に到達
 
 センター守備の下降は年齢面のファクターも大きいと思われるが、レフトでのパフォーマンスの低下は、4月27日の阪神戦で右ヒザに食らった死球が影響しているのかもしれない。「焦らず完全に治したい」として約1か月後に復帰したものの、守備では以前のスピード感は薄れ、肩の弱さから相手に先の塁へ進まれているシーンも散見される。

 問題は、本当に故障が原因なのか、ということだ。もしヒザを痛めた影響で精彩を欠いているのであれば、それこそしっかり治れば以前のような大島を見られる可能性が高い。しかし、これが年齢面による“劣化”だとしたら、来年以降に大きな不安を残す。

 幸い、打率.297とバッティング面ではさすがの実力を発揮しており、まだまだレギュラー以上の存在として大島がドラゴンズに必要不可欠なのは間違いない。しかし、以前よりも総合的な貢献度が減少しているという事実は看過できないはずだ。

構成●THE DIGEST編集部
データ提供●DELTA
【DELTA(@Deltagraphshttps://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。
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