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プロ野球

根尾昂は「中途半端」こそが最大の武器!? 投手専念ではなく“スーパーユーティリティ”として生きる道を<SLUGGER>

DELTA

2022.06.16

外野手→遊撃手→投手とプロ入り後に目まぐるしくポジションが変わっている根尾。時に「中途半端」との声もあるが、この“多様性”が武器。写真:徳原隆元

外野手→遊撃手→投手とプロ入り後に目まぐるしくポジションが変わっている根尾。時に「中途半端」との声もあるが、この“多様性”が武器。写真:徳原隆元

 中日の根尾昂の投手転向が決まった。

 ここまで一軍で2試合に登板した根尾はともに無失点に抑えている。しかし、いずれもあくまで敗戦処理としてのもの。立浪和義監督は将来的には先発として使いたい意向を明言しているが、今回の措置については「遊撃手として育てるべき」「中途半端」といった批判も少なくない。

 果たして、根尾の起用法はどうあるべきなのだろうか。これまでのキャリアを客観的に振り返り、そこから見える可能性について考えてみたい。

 まず打撃からだ。根尾はここまで一軍で通算259打席に立ち、打率.172、出塁率.249、長打率.220。客観的に見て、一軍の投手相手には通用していない成績と言える。
 
 根尾が通用していないのは一軍だけではない。二軍でも通算510打席で打率.220、出塁率.292、長打率.327。二軍で好成績を残して一軍に昇格したというよりは、将来性を見込んで使ってもらっていた感は否めない。現状は打力不足がレギュラー獲得のネックになっている。

 守備はどうだろうか。根尾の本職は遊撃手。150キロを計時する強肩をはじめとした高い身体能力で、守備でも大きな貢献を果たすショートストップになることが期待された。ただ、プロでの遊撃守備はそこまで評価が高いわけではない。立浪監督の「ショートの守備は京田(陽太)に勝てない」というコメントも報道されている。

 実際、同ポジションのリーグ平均選手と比べ、どれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)という指標で守備力を確認してみると、根尾は二軍で592.1イニング遊撃を守り、UZRが3.2。プラスではあるが、二軍の平均的な遊撃手と比較しても大幅に優れているというほどではない。一軍で毎シーズン優秀な値を記録し続ける京田と比べて劣るという評価は、データ的に見ても妥当なものだ。
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