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大学野球

偉大な父を持つ清原正吾と前田晃宏の課題は何か? 大学球界屈指の注目度を誇る“2世選手”の現状に迫る

THE DIGEST編集部

2022.06.27

 一方の前田は慶応高校でも1年秋から登板するなど、ポジションは違うものの実績に関しては清原を大きく上回っているのは間違いない。高校1年時にも彼の投球を見たが、球速こそ130キロ程度だったが、落ち着いたマウンドさばきと制球の良さは際立っていた。

 昨年6月に右膝の靭帯断裂という大きな怪我を負い、まだ回復途上と聞いているが、今春のフレッシュトーナメントでは2試合で6回2/3を投げて被安打2、無失点としっかり結果を残して見せている。

 筆者が現地で見た法政大との試合でも7回途中からマウンドに上がり、いきなり併殺打を打たせて取るなど、冷静なマウンドさばきという持ち味を十分に発揮している。ストレートの最速は136キロで、アベレージは130キロ台前半とまだまだ物足りないが、両サイドに投げ分けるコントロールは高校時代とは変わらぬ大きな武器となっている。
 
 さらに目立ったのが緩い変化球だ。とりわけチェンジアップは腕をしっかり振って投げており、ブレーキも抜群で、打者のタイミングを外すのに有効なボールとなっていた。9回に高校時代から評判の強打者である吉安遼哉(2年・大阪桐蔭)から奪った三振も決め球はこのチェンジアップだった。

 走者を背負った場面でマウンドに送り出されているように、ピンチにも落ち着いて自分のボールを投げられるというのも大きな持ち味である。ストレートに磨きをかける必要はあるが、コンスタントに140キロ台を超えてくるようになれば、コントロールと変化球が良いだけに社会人野球など、より高いレベルでプレーを続けられる可能性も十分に出てくるだろう。

 ともに偉大な父を持つため、必要以上に世間の注目を浴びる大変さもある。それは確かだが、それでも大学でのプレーを選んだのは立派の一言である。まずはリーグ戦での出場が直近の目標となるが、秋には更にレベルアップした姿を見せて、神宮を沸かせてくれると期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間300試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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