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プロ野球

有言実行の急成長。燕の1番・塩見泰隆の「進化」が止まらない<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.06.28

攻撃面もさることながら、センター守備での貢献度も抜群。WARは両リーグ2位とトップクラスの水準に達している。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

攻撃面もさることながら、センター守備での貢献度も抜群。WARは両リーグ2位とトップクラスの水準に達している。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

 しかも、塩見の「成長」は打席アプローチの改善だけにとどまらない。本塁打数はすでに昨年の14本に迫る11本まで打っていて、(長打率-打率)で算出される打者のパワーを示すISOも両リーグ10位の.213(昨年は.162)と長打力も向上。ボールを見極める姿勢を持ちつつ、甘く来たら仕留めることもよりできるようになっているのだ。

 加えて、今季の塩見はセンター守備も際立っており、各ポジションの平均と比べてどれだけ失点を阻止したかを示す「UZR」においても、昨年の-3.3から+5.7へと上昇。快足を飛ばして広範囲をカバーする姿は神宮球場の新たな名物にもなっていて、ディフェンスから投手陣にも大きな安心感をもたらしてもいる。

【動画】燕の切り込み隊長・塩見泰隆が驚きの「初球先頭打者本塁打」の離れ業
 
 そしてここにリーグ最多17盗塁の俊足も加わり、勝利貢献度を示す「WAR」も村上(4.7)に次いで両リーグ2位の4.4をマーク。6月で29歳を迎えた男は、プレーヤーとして確実に一皮も二皮もむけ、一軍定着2年目で球界トップクラスにまで躍り出ているのである。

 報道番組などのハイライト映像は短くまとまっているので、なかなか塩見の活躍を見ることが難しい。どうしても怪物・村上を中心とした構成になってくる。しかし改めて、ヤクルトの絶対的リードオフマン、塩見泰隆という男の価値をここに記しておきたい。
 
構成●SLUGGER編集部
データ提供●DELTA

【DELTA(@Deltagraphshttps://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。

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