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侍ジャパン

日本の4番・鈴木誠也、激変した「三振率」と「四球率」に見る驚異の進化

藤原彬

2019.11.20

 一方、昨年は422打数で30の大台に達したホームラン数は、打数が80近く増えたにもかかわらず28本にとどまった。これは、打球方向が引っ張り中心からセンター中心に変わっていることとも大きく関係している可能性が高い。また、フライ打球自体の割合も昨年と比べて下がっている。

 これらの傾向は、好打者が居並ぶ日本代表でも口にし続けた「つなぐ意識」と「チームの勝利」に結び付く。振れば快打、打ち出の小槌状態にもかかわらず、繰り返したのは「4番タイプじゃない」「ホームランバッターじゃない」。謙遜ではなく、自らのスタイルを把握しているからこその本音ではないだろうか。
 
 また、17年は8月に右足首を骨折してシーズンを終え、18年は日本シリーズで敗退。今年はリーグ優勝を果たせなかった。そうした悔しさも、チームの勝利に対する気持ちを一層強くしていると思われる。

 4番に座ったプレミア12では打撃9部門でトップに立ち、MVPとベストナインを受賞した。恵まれたアスリート能力や豪快な一撃は言うに及ばず、今年のプレーには、研ぎ澄まされつつある打撃と勝利への渇望が詰まっていた。

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文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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