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プロ野球

【2019総括・西武】主力流出も驚異的な攻撃力でリーグ連覇。CS敗退で見えた選手層の薄さ解消へ若手育成のビジョンが不可欠

中島大輔

2019.11.27

▶2019年を象徴する試合
10月10日/メットライフドーム
(CSファイナルステージ第2戦)
ソ   1 1 4 10  1 0 0 0 |8
西  000 1 3 0 1 10 |6
[勝]石川柊太(1-0-0) 
[敗]今井達也(0-1-0)
[S]森唯斗(0-0-1)
[本]ソ:中村晃(1)、グラシアル(2) 西:外崎修汰(1)

 前日にシーズン勝ち頭のニールで落として迎えたCS第2戦。高卒3年目の今井達也が先発したが、極めて重要な一戦で昨年から抱えている課題を露呈した。

 投球フォームが固まらない中で起用され続けてきたツケで、毎試合のように投げ方が変わり、調子の波が激しい。とりわけ試合序盤に安定感を欠くことが多く、この日も3回途中6失点と崩れた。

 初回、2回と1失点ずつ。2回終了時点でスイッチも考えられたものの、首脳陣は早めの投手交代を決断できず、3回に大量4失点。序盤で一方的な展開になってしまった。攻撃陣が中盤以降に反撃したが、あと一歩及ばず6対8で敗れた。将来のエース候補が無残に打たれ、ベンチが手を打てずにCSの流れを大きく失ったこの試合は、チームが抱える問題をまさに象徴していた。
▶来季のキーマン
渡辺久信GM

 2018年シーズン限りで鈴木葉留彦球団本部長が退団し、渡辺久信GMがベースボール・オペレーション(編成部)のトップに立った。球団職員は「新しいことを提案し、プレゼンが通れば実現できるようになった」とモチベーションを高めている。トラックマンなどITの積極的な活用、栄養士との提携などチームが前進していることは間違いない。
 
 一方、外崎や森より年下の若手が思うように伸びていない。

 FAで主力が続々と抜けた投手陣では、ファームの若手がキャッチボールを大事にしないという、プロ野球チームにとって深刻な問題を抱えている。攻撃陣に喫煙者が多く、「盛り上がるべきタイミングで主力がベンチに座っていないこともある」という指摘も聞こえた。

 こうした問題は一軍の「選手層」の薄さと根底で結びついている。渡辺GMが中・長期的視点でチームビルディングをどう行っていくか、常勝軍団を作る上でカギになる。
 

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