●片野優羽(市立船橋3年・捕手):4打席4打数2安打1本塁打1打点
高校生離れした体格とパワーが魅力の大型捕手。スローイングには少しばらつきがあるものの、初回にいきなり盗塁阻止でピンチの芽を摘むと、リリーフした森本哲星の好投もアシストした。また打撃でも第2打席に痛烈なレフト前ヒットを放つと、2点を追う8回には142キロのストレートを捉えてレフトスタンドへ運ぶホームランを放ち、チームの逆転劇につなげた。攻守ともに動きのキレは少し物足りないが、大舞台でしっかりと結果を残したことは大きなアピールとなったはずだ。
●森本哲星(市立船橋3年・投手):6.2回 被安打2 0失点 6奪三振 1四死球
3回途中からリリーフでマウンドに上がると、6回以降の4イニングをパーフェクトという見事な投球でチームの逆転勝利に大きく貢献した。この日のストレートの最速は141キロで、ほとんどが130キロ台だったが、肩の可動域が広く、腕が遅れて出てくるため打者はタイミングをとるのが難しい。
また、真上から腕が振れ、175cmという上背以上の角度があるのも武器だ。縦のスライダーの落差、ブレーキも素晴らしいものがあり、低めに決まるボールで空振りを奪えるのも大きい。貴重なサウスポーだけに、ストレートに力強さが出てくれば、将来が楽しみな投手である。
●生盛亜勇太(興南3年・投手):8回 被安打11 6失点 7奪三振 2四死球
終盤につかまり負け投手となったが、中盤までは見事なピッチングだった。ストレートの最速は山田陽翔(近江)、田中晴也(日本文理)に並ぶ今大会最速となる148キロを記録。細身だが躍動感は抜群で、体重移動にスピードがあるため、数字に見合うだけの勢いが感じられる。腕を振って投げられる130キロ前後のスライダーも決め球として威力を発揮した。課題となるのは緩急と目先を変える大きい変化球がないところ。大学進学が濃厚とのことだが、打ち取るパターンを増やすことができれば、将来のプロ入りも見えてくるだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
高校生離れした体格とパワーが魅力の大型捕手。スローイングには少しばらつきがあるものの、初回にいきなり盗塁阻止でピンチの芽を摘むと、リリーフした森本哲星の好投もアシストした。また打撃でも第2打席に痛烈なレフト前ヒットを放つと、2点を追う8回には142キロのストレートを捉えてレフトスタンドへ運ぶホームランを放ち、チームの逆転劇につなげた。攻守ともに動きのキレは少し物足りないが、大舞台でしっかりと結果を残したことは大きなアピールとなったはずだ。
●森本哲星(市立船橋3年・投手):6.2回 被安打2 0失点 6奪三振 1四死球
3回途中からリリーフでマウンドに上がると、6回以降の4イニングをパーフェクトという見事な投球でチームの逆転勝利に大きく貢献した。この日のストレートの最速は141キロで、ほとんどが130キロ台だったが、肩の可動域が広く、腕が遅れて出てくるため打者はタイミングをとるのが難しい。
また、真上から腕が振れ、175cmという上背以上の角度があるのも武器だ。縦のスライダーの落差、ブレーキも素晴らしいものがあり、低めに決まるボールで空振りを奪えるのも大きい。貴重なサウスポーだけに、ストレートに力強さが出てくれば、将来が楽しみな投手である。
●生盛亜勇太(興南3年・投手):8回 被安打11 6失点 7奪三振 2四死球
終盤につかまり負け投手となったが、中盤までは見事なピッチングだった。ストレートの最速は山田陽翔(近江)、田中晴也(日本文理)に並ぶ今大会最速となる148キロを記録。細身だが躍動感は抜群で、体重移動にスピードがあるため、数字に見合うだけの勢いが感じられる。腕を振って投げられる130キロ前後のスライダーも決め球として威力を発揮した。課題となるのは緩急と目先を変える大きい変化球がないところ。大学進学が濃厚とのことだが、打ち取るパターンを増やすことができれば、将来のプロ入りも見えてくるだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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