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MLB

エンジェルスの「最速170キロ男」ベン・ジョイスが2Aで4球連続100マイル突破!それでもプロスペクトとしての評価が低い理由<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.08.31

 なぜ、ジョイスはここまで評価が低いのか。

 まず大きいのは、彼がリリーフ限定であることだ。アメリカでは、プロスペクトの評価は、ポジションと大きく連動している。先発投手や遊撃手、捕手、センターは高く評価されるが、二塁手やレフト、そしてリリーフ投手は低くなる。これはポジションとしての「替えの利かなさ」と連動している。ショートから二塁、センターからレフト、先発からリリーフへの転向はよくあるが、その逆はほとんどない。

 また、かつてのマリアーノ・リベラのような異次元の存在ならともかく、1試合1イニング限定のリリーフ投手は先発投手と比べると労働量が少ない。また、FAやトレードなどでも比較的容易に、そして安価に補強できる。これも、希少価値という点ではマイナス評価となる。
 
 ジョイス自身の問題としては、トミー・ジョン手術で21年シーズンを全休したことに加え、大学時代も間隔を空けての登板が多く耐久性に懸念があること、スライダーも含めてコマンド(狙ったスポットに投げる能力)が平均以下であることも挙げられる。

 裏を返せば、ずば抜けて速い4シーム以外は課題だらけと言ってもいい。スタミナ強化に加えて、変化球やコントロールの精度向上で「スローワー(ただ投げる人)」から本当の意味での「ピッチャー」へ成長できるか。ジョイスのメジャーリーガーとしてのキャリアの成否は、この一点にかかっていると言っても過言ではない。

構成●SLUGGER編集部
 
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