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MLB

高校通算90本塁打もプロへの“課題”は多し。ドラフトまであと1年となった怪物・佐々木麟太郎の「現在地」

西尾典文

2022.10.25

守備面は高校球界トップクラスではないだけに佐々木にはさらなるスキルアップが求められそうだ。写真:滝川敏之

守備面は高校球界トップクラスではないだけに佐々木にはさらなるスキルアップが求められそうだ。写真:滝川敏之

 ちなみに今年の選抜高校野球、春と秋の東北大会でチームはいずれも初戦で敗退。佐々木も3試合ともにノーヒットに終わっている。昨年の明治神宮大会では見事な成績を残したが、それ以降の大きな大会では厳しいマークもあって結果を残せておらず、高いレベルの投手への対応は今後の大きな課題だ。また、来春の選抜高校野球出場が絶望的だという事実も、評価を下すうえではマイナス要因と言えるだろう。

 そしてもう一つの懸念点は打つ以外のプレーに関して特徴がないという点である。新チームではキャッチャーとして出場して話題となった佐々木だが、基本的にはファーストが本職で、その守備の動きは高校生でも「上手」というレベルではない。とくに打球への反応やフットワークに関しては、まだまだ鍛える必要があるだろう。

 また脚力と走塁についても水準以下であり、各塁への到達タイムも水準以下である。度々比較される清宮も一塁までのタイムはそれほど速くなかったが、ラグビー経験からかトップスピードは速く、ツーベースの二塁到達タイムは高水準だった。守備はともかく、脚力がここから劇的に改善することは考えづらく、その点はプロ側からみても大きなネックとなりそうだ。
 
 以上の点から佐々木がアピールするべきはやはりバッティングと言えるが、今後重要になってくるのはその中身だろう。話題となる高校通算本塁打はあくまで参考的な記録であり、いくら清宮の数字(111本)を超えたとしてもそれが評価に直結するものではない。

 残る公式戦は春、夏のみとなった佐々木。そこでいかにレベルの高い相手から結果を残すかによって、来秋のドラフトにおける彼の立ち位置も変わってくるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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