その次の候補となるのが、万波中正だ。
昨季は100試合に出場し、清宮と同じく2ケタ本塁打をマークするなどプチブレイクを果たした。こちらも打率.203と確実性はまだまだだが、地肩の強さや思い切りのいいスウィング、ユニークなコメントなどに新庄監督の現役時代と重なるところがある。「スター性」という点でも可能性のある一人だ。
3人目に挙げられるのが、今季から背番号「5」を背負う野村佑希だ。背番号「24」からの”昇格”で、「1」の候補からは外れた感もあるが、日本ハムの次世代を背負っていく打者であることは間違いない。昨季は93試合で6本塁打と持ち前の長打力は見せられなかったが、打率は.279をマーク。得点圏打率は.301と勝負強さも見せた。
世代の近い3人の争いに割って入りそうなのが、ルーキーの矢澤宏太と加藤豪将だ。
矢澤は「12」、加藤は「3」と、ともに入団早々から若い番号を当てがわれた。今後の活躍によっては「1」にふさわしい選手になる可能性を秘めている。
ドラフト1位の矢澤はプロでも二刀流を続ける予定。背番号「1」は投手、野手どちらにも似合う番号だ。
加藤は29歳のオールドルーキーだが、アメリカでのマイナー経験が豊富で、日本球界に新しい風を吹かせてくれるような存在だ。13年のMLBドラフトでは2巡目の高順位で指名された選手が日本でスター選手になる。そんなサクセスストーリーには「1」がふさわしいかもしれない。
新庄監督は「1」をつける選手の条件として、走攻守の三拍子が揃っていることやビジュアル、トーク力など、合計6つの項目を設けているという。冗談半分かもしれないが、それだけ多くの点で「認める」存在を作ることが、新庄監督にとっても、チームにとっても、大きな意味を持つことになる。
いつまでも指揮官が「1」をつけているようでは、日本ハムの未来は明るいとは言えない。新庄監督から禅譲される選手が現れた時こそ、本当の意味でチームが新しい時代に突入すると言えよう。
背番号「1」をめぐる争い。2023年の日本ハムはそこからスタートする。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
昨季は100試合に出場し、清宮と同じく2ケタ本塁打をマークするなどプチブレイクを果たした。こちらも打率.203と確実性はまだまだだが、地肩の強さや思い切りのいいスウィング、ユニークなコメントなどに新庄監督の現役時代と重なるところがある。「スター性」という点でも可能性のある一人だ。
3人目に挙げられるのが、今季から背番号「5」を背負う野村佑希だ。背番号「24」からの”昇格”で、「1」の候補からは外れた感もあるが、日本ハムの次世代を背負っていく打者であることは間違いない。昨季は93試合で6本塁打と持ち前の長打力は見せられなかったが、打率は.279をマーク。得点圏打率は.301と勝負強さも見せた。
世代の近い3人の争いに割って入りそうなのが、ルーキーの矢澤宏太と加藤豪将だ。
矢澤は「12」、加藤は「3」と、ともに入団早々から若い番号を当てがわれた。今後の活躍によっては「1」にふさわしい選手になる可能性を秘めている。
ドラフト1位の矢澤はプロでも二刀流を続ける予定。背番号「1」は投手、野手どちらにも似合う番号だ。
加藤は29歳のオールドルーキーだが、アメリカでのマイナー経験が豊富で、日本球界に新しい風を吹かせてくれるような存在だ。13年のMLBドラフトでは2巡目の高順位で指名された選手が日本でスター選手になる。そんなサクセスストーリーには「1」がふさわしいかもしれない。
新庄監督は「1」をつける選手の条件として、走攻守の三拍子が揃っていることやビジュアル、トーク力など、合計6つの項目を設けているという。冗談半分かもしれないが、それだけ多くの点で「認める」存在を作ることが、新庄監督にとっても、チームにとっても、大きな意味を持つことになる。
いつまでも指揮官が「1」をつけているようでは、日本ハムの未来は明るいとは言えない。新庄監督から禅譲される選手が現れた時こそ、本当の意味でチームが新しい時代に突入すると言えよう。
背番号「1」をめぐる争い。2023年の日本ハムはそこからスタートする。
文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。