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プロ野球

我慢しても使いたい西武・蛭間。二刀流の異才・矢沢はどう見るべき? 12球団ドラ1ルーキーたちの“目標”を考察【パ・リーグ編】

THE DIGEST編集部

2023.02.21

<楽天>
●荘司康誠(投手/立教大)
目指すべき目標=二軍で15試合、80イニング登板

 2球団競合の末の1位指名となったが、大学での通算成績は2勝5敗という数字が表しているように、即戦力というよりもスケールの大きさが高く評価されている。大型投手の割に起用で変化球の質は高いものの、試合中盤に崩れることが多いのは課題だ。

 1年目の目安としては二軍で先発の中心となること。一昨年は高田孝一が20試合、109回1/3、昨年は松井友飛が15試合、76回2/3を投げており、この2人の間くらいの数字が妥当ではないだろうか。順調に成績を残した場合は、夏場以降に一軍デビューというのも期待できそうだ。

<ロッテ>
●菊地吏玖(投手/専修大)
目指すべき目標=先発なら一軍で10試合。リリーフなら一軍で40試合

 大学4年間は東都二部でプレーしながら、大学日本代表にも選出された本格派右腕。ここ一番でギアを上げた時のストレートは威力十分で、高い制球力も誇る。一方で追い込んでから粘られるケースが目立ち、変化球はレベルアップの必要がありそうだ。

 同じ大学二部上がりで、昨年に一軍で5勝をマークした赤星優志(巨人)と比べると、制球力は少し劣るがボールの力は上回っているように見える。赤星が31試合に登板し(先発は13試合)、78回を投げているだけに、菊地も同じくらいの成績を残す可能性は十分にあるだろう。
 
<日本ハム>
●矢沢宏太(投手兼外野手/日本体育大)
目指すべき目標=投手として一軍で10試合登板。野手として一軍で50試合出場

 二刀流として注目が集まる異色のルーキー。投げては150キロを超えるストレートと鋭いスライダーで三振を奪い、外野手としては抜群のスピードと強肩を誇る。1年目ということで両方の可能性を探りながらの起用が予想できるが、早くから一軍の戦力となりそうなのは野手の方ではないだろうか。

 とくに外野の守備と積極的な走塁は大きな魅力で、打撃も練習試合で松井裕樹(楽天)からホームランを放っているようにパンチ力を備えている。基本的に外野のバックアップとして出場しながら、タイミングを見て投手としても登板するというのが1年目の現実的な起用法となりそうだ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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