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プロ野球

【2023ドラフト候補ランキング|11~20位】霞ヶ浦の本格派右腕・木村の順位が急上昇。山形中央の大型二刀流・武田にも要注目<SLUGGER>

西尾典文

2023.07.10

▼15位:坂井陽翔[投手・滝川二高](前回順位:16位)
(さかい・はると/右投右打)

 関西の右投手ではナンバーワンの呼び声高い大型投手。昨年秋、今年春と続けて報徳学園に惜敗して近畿大会出場を逃したものの、終盤まで安定した投球を見せて評価を上げた。長いリーチを生かした鋭い腕の振りで、140キロ台中盤のストレートは数字以上に勢いを感じる。また対戦した打者が「消える」と語るスライダーも一級品だ。春は他の投手を育てるために温存する試合が多かっただけに、夏は存分にその実力を見せてくれることを期待したい。
#将来性◎ #本格派右腕
将来像:森下暢仁(広島)

▼14位:滝田一希[投手・星槎道都大](前回順位:20位)
(たきた・かずき/左投左打/寿都高)

 北海道の大学球界で注目を集めている本格派サウスポー。高校時代は部員も少ないチームで全く実績もなかったが、大学で大きく成長し、大学日本代表候補に選ばれるまでになった。鋭い腕の振りから繰り出すストレートはコンスタントに150キロに迫り、右打者の内角に決まるクロスファイヤーの球筋も素晴らしいものがある。ブレーキ抜群の2種類のチェンジアップも大きな武器だ。大学選手権では中盤に崩れたものの、実力の片鱗は十分にアピールし、居並ぶスカウト陣をうならせた。
#無名校出身 #地方の星
将来像:能見篤史(元阪神など)

▼13位:上田希由翔[三塁手・明治大](前回順位:15位)
(うえだ・きゅうと/右投左打/愛産大三河高)

 東京六大学を代表する左の強打者。通算82安打、通算62打点いずれも現役トップの数字であり、三振の少なさも目立つ。実戦では広角に打ち分ける上手さが目立つが、打撃練習では軽々と柵越えするなど長打力も備えている。この春も厳しいマークの中で打率.372、3本塁打というキャリアハイの数字を残した。大型だが脚力もあり、走塁に対する意識も高い。少しサードからのスローイングに不安があるのは課題だが、あらゆるポジションを守れるのも魅力だ。
#神宮の星 #クラッチ
将来像:佐野恵太(DeNA)
▼12位:松本凌人[投手・名城大](前回順位:9位)
(まつもと・りょうと/右投右打/神戸国際大付高)

 愛知大学リーグを代表する本格派サイドスロー。全身を大きく使い、クロス気味に踏み込む変則フォームから投げ込む140キロ台後半のストレートは数字以上に勢いがあり、打者に恐怖感を与える。春のリーグ戦では疲れもあってか終盤に打ち込まれて成績を大きく落としたものの、大学日本代表候補合宿では本来の球威をアピールした。大勢(巨人)のようにリリーフであれば早くから一軍の戦力となる可能性もありそうだ。
#変則フォーム #本格派サイドスロー
将来像:青柳晃洋(阪神)

▼11位:進藤勇也[捕手・上武大](前回順位:8位)
(しんとう・ゆうや/右投右打/筑陽学園高)

 強肩強打の大学ナンバーワンキャッチャー。高校時代からそのスローイングには定評があったが、大学で更に進化した印象を受ける。またバッティングも少しアウトステップ気味なのは気になるものの、フォローの大きいスイングで軽々とスタンドまで運ぶ長打力も魅力だ。この春は怪我で出遅れ、リーグ戦でも優勝を逃したものの、大学日本代表には順当に選ばれるなど高い評価に変わりはない。
#強肩強打 #大学日本代表
将来像:城島健司(元ダイエーなど)

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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