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MLB

デッドライン当日は平凡な中継ぎ右腕を獲得したのみ。エンジェルスの夏のトレード補強は果たして「十分」だったのか<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.08.02

 アストロズは補強した人数こそ多くないが、バーランダー、グレイブマンとも実績、経験とも豊富な実力者。特に17年8月から昨季まで在籍し、アストロズで世界一とサイ・ヤング賞に2回ずつ輝いているバーランダーの復帰がチームに与える影響は計り知れない。

 興味深いのは、レンジャーズ、アストロズとも投手の補強に力を入れていることだ。何せ、どちらも殿堂入り確実な名投手を獲得しただけでなく、ブルペンにも実績十分の投手を加えている。結果、3球団で最も投手力が弱いはずのエンジェルスの補強が最も物足りなく見えてしまう。期限ギリギリで獲得したレオンは今季31試合に登板して防御率4.46。果たしてこれを本当の意味で「補強」と呼べるのか疑わしい。

 もちろんその分、野手を多く獲得しているわけだが、これまでの投手陣の苦しいやり繰りを見ていると、ジオリトとロペス、レオンの3人で果たして今後の厳しい日程を乗り越えられるのか、ワイルドカード争いで逆転できるのか、不安を抱いてしまうのが正直なところだ。
 ワイルドカード圏内の他のチームを見ると、ヤンキースとレッドソックスはほぼ現状維持。ただ、レイズは今季絶好調の先発右腕アーロン・シバーリ、ブルージェイズも105マイルの豪腕ジョーダン・ヒックスを獲得するなど補強に動いている。

 エンジェルスにとって、当面の目標はマイク・トラウトが復帰予定の8月中旬まで絶対に現在の位置から落ちないこと。ジオリト、グリチックら新加入組はもちろん、チーム全体の踏ん張りに期待したい。

構成●SLUGGER編集部
 
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