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プロ野球

覚醒した山本由伸が3部門でトップ!連覇達成した西武守備陣の堅守が際立つ【表彰されざるパ・リーグ投手・守備の記録】

藤原彬

2019.12.20

■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.美馬学(楽天) 4.67
2.有原航平(日本ハム) 4.03
3.二木康太(ロッテ) 3.83

【救援】
1.宮西尚生(日本ハム) 8.50
2.増田達至(西武) 7.40
3.石川直也(日本ハム) 4.69

 三振は多く奪えずとも、四球を少なく抑えた美馬が先発のトップに立った。移籍先のロッテ戦は8先発で防御率5.24、K/BB3.40と苦戦しただけに、対戦がなくなる来季は成績向上が見込めるかもしれない。二木は直近3年の奪三振率が誤差0.01以内、4年間の与四球がいずれも30~35で収まっている。宮西の数値は今季の12球団全投手でベストだった。ワーストは先発が今井(1.46)、救援が佐野泰雄(1.22)と西武の投手事情が透けて見える。

■QS率(QS÷先発数)
1.山本由伸(オリックス) 80.0%
2.千賀滉大(ソフトバンク) 76.9%
3.有原航平(日本ハム) 75.0%

 山本は4月3日の今季初登板(ソフトバンク戦)で9回を1安打自責点ゼロに抑えながら勝ち星がつかず。6回を投げて自責点3以下に抑えても白星なしの試合は8試合を数えた。千賀は前半戦で防御率1点台をキープ。有原は24先発すべてで6回以上を投げた。新天地に移った金子弌大(日本ハム)は、リーグワーストの21.1%と復調ならず。
 
■盗塁阻止率(盗塁刺殺÷被盗塁企図)
1.若月健矢(オリックス) 37.1%
2.田村龍弘(ロッテ) 34.7%
3.清水優心(日本ハム) 34.5%
※被盗塁企図50以上対象

 打率.178と打撃で大苦戦した若月はスローイングで投手を助けた。対照的に、自慢の打棒を見せつけた森友哉(西武)は走者をリーグ最多の30回刺したが、阻止率は28.3%と振るわずワースト。肩で昨年の日本シリーズMVPを受賞した甲斐拓也(ソフトバンク)の34.2%は低くないが、前年比10%以上のダウンで4位に甘んじた。柿沼友哉(ロッテ)は23回と少ない企図ながら52.2%の高率。嶋基宏(楽天)は7.0%でほぼ自由に走られた。

■併殺
1.山川穂高(西武) 120
2.外崎修汰(西武) 97
3.源田壮亮(西武) 90

 山川は本塁打だけではなく、守備で併殺に参加した回数も2年連続リーグ最多だった。通常は一塁手の機会が多くなるが、外崎と源田の二遊間がランクイン。チームメイトの中村剛也も三塁で最多タイの16個を記録した。西武はチームでリーグ最多の131併殺を完成。内野手の守備力はもちろん、奪三振が断トツで少ない投手陣の投球も影響していそうだ。投手最多はグラウンダーの高橋礼(ソフトバンク)が記録した6個と守って自らを助けた。

■補殺
1.金子侑司(西武) 9
1.木村文紀(西武) 9
3.秋山翔吾(西武) 8
3.荻野貴司(ロッテ) 8
※外野手を対象

 俊足を飛ばしてビッグプレーを量産した金子は、投げてもリーグ最多補殺。外野手の肩には進塁抑止も求められるため、補殺を数えるだけで貢献値は図り切れないが、秋山、木村らと形成する西武の外野はリーグ最多の計31補殺を記録した。ランク外にも強肩自慢は多く、抜群の身体能力が売りの西浦颯大(オリックス)は73試合で7補殺。7月中旬に加入したマーティン(ロッテ)もわずか51試合ながら、定評のある肩で5つのアウトを稼いだ。

文●藤原彬
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
 

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