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プロ野球

OPSトップは鈴木誠也!山田哲人は盗塁の連続成功記録を樹立【表彰されざるセ・リーグ打撃・走塁の記録】

藤原彬

2019.12.20

鈴木誠也はプレミア12でも打率.444、3本塁打、13打点の三冠を獲得してMVPに選出。写真:滝川敏之

鈴木誠也はプレミア12でも打率.444、3本塁打、13打点の三冠を獲得してMVPに選出。写真:滝川敏之

 スポーツもビッグデータを活用する時代。首位打者や最多本塁打などのタイトル対象項目以外にも、様々な数字の集積が今シーズンをあぶりだす。優れた選手の輪郭がよりくっきりするスタッツを紹介しよう。ここでは、セ・リーグ打撃・走塁の部門別ランキングベスト3を発表する。(※率系部門は規定打席到達者30人が対象)

■OPS(出塁率+長打率)
1.鈴木誠也(広島) 1.018
2.坂本勇人(巨人) .971
3.山田哲人(ヤクルト) .961

 鈴木は首位打者と最高出塁率のタイトルに加え、長打率.565もリーグ2位。“三冠”こそ逃したがOPSは2年ぶり2回目のトップで、三振(81)を四球(103)以下に抑えるなど着実に進化を遂げている。長打率1位は坂本で自身初の40本塁打に到達。務め上げた2番打者のバットは、リーグ優勝を果たしたチームで最大の優位性となった。山田は過去3度のトリプルスリー達成時にクリアしたOPS1.000を、今季は打率3割とともに逃している。
 
■対左投手打率
1.鈴木誠也(広島) .399
2.バレンティン(ヤクルト) .348
3.坂本勇人(巨人) .327

 ブレイクを果たした2016年から鈴木は毎年、対左投手の打率が3割以上。今季は今永昇太(DeNA)に対して15打数4安打も7つの四球を選んだ。最多本塁打は坂本の20本で、左打者の最高打率は大島洋平(中日)の.326。規定打席不足ながら福田永将(中日)は88打数で打率.352、8本塁打と左をカモにした。亀井善行(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)、高橋周平(中日)と好成績を残した左打者たちが1割台(.190/.1981/.1984)と苦しんだ。

■得点圏打率
1.會澤翼(広島) .351
2.大島洋平(中日) .347
3.菊池涼介(広島) .333

 5番を任される試合も増えた會澤は、自己最多63打点と期待にこたえた。大島はチャンスでよく打っただけでなく、出塁率.423と好機拡大も。得点圏での打率の上がり幅は會澤と菊池の広島勢がワンツーフィニッシュ。ついで、阪神のポイントゲッターとなった梅野隆太郎と大山悠輔が入った。対照的に、雄平(ヤクルト)は打率.273ながら得点圏になるとリーグワーストの.207まで下降。昨季の坂本は.410と無類の勝負強さを発揮したが、今季は.325と揺り返しにあった。

■本塁打率(打数÷本塁打)
1.ソト(DeNA) 12.00
2.バレンティン(ヤクルト) 12.42
3.ゲレーロ(巨人) 13.67

 ソトは12打数に1本の割合で打球をスタンドインさせ、2年連続で本塁打王に。対戦相手別ではリーグ優勝を争った巨人戦で最多13本を放ち、2ストライクからも12本を叩き込んだ。ゲレーロは打撃不振で二軍降格もあって十分な出場機会を得られなかったが、規定打席に到達していれば37本塁打ペースとパワーは見せた。本塁打率上位3人が放った計112本は、オリックスと日本ハムの打線全体がそれぞれ記録した数(102/93)よりも多い。

■四球率(四球÷打席)
1.山田哲人(ヤクルト) 17.2%
2.鈴木誠也(広島) 16.8%
3.筒香嘉智(DeNA) 15.8%

 リーグ最多の110四球を選んだ山田は、四球率でも5年連続でベスト3入りと、走攻守に加えて抜群の「眼」も備えている。この点では鈴木も16年の10.0%から、ここ2年は16%台まで引き上げるなど成熟度を増した。6年連続10%超えの筒香はレイズ入団が決まり、メジャーでボールの見極めがより重要となりそうだ。新人の近本光司(阪神)は自慢の快速を武器にしたが、リーグワーストの4.8%とトップバッターを務めるには課題を残す。

■三振率(三振÷打席)
1.宮﨑敏郎(DeNA) 7.4%
2.糸原健斗(阪神) 12.2%
3.大島洋平(中日) 12.5%

 宮﨑の35三振は、チームメイトのソトが放った本塁打(43本)を見るよりも難しかった。1試合で2つ以上の三振は5試合だけで、9月の11試合はわずか1三振のみ。対個人で複数の三振を喫したのは、2三振を奪われた菅野智之(巨人)を含む3人だけだった。大島は2ストライクからでも打率.279と粘り強さを発揮した。リーグ史上最多の184三振を喫した村上がワーストの三振率31.0%だ。
 
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