さらに、4点リードの7回にも打線が機能した。
1死からセデーニョがセンター前ヒットで出塁すると、頓宮がレフト前ヒットで続いてチャンスを拡大。その後、1死満塁とする。阪神はここで、この回からマウンドに上がっていた岡留英貴からサウスポーの島本浩也にスイッチしたが、中嶋監督は野口に代打ゴンザレスを送り、走者一掃のタイムリーで試合の大勢を決めたのだった。
改めて思うのは、前日まではベンチ外、あるいはスタメンから外れていた選手が突然の抜擢を受けて結果を残すという構図だ。西野、廣岡の両選手によれば、スタメンを知ったのはこの日の試合前だったという。
本来は心の準備さえできていない状態のはずだが、「シーズン中からそういうことも多いので、選手たちはみんな自分が出るつもりで準備しています。だから、戸惑ったりすることはない」と西野は言う。
中嶋監督はたくさんの選手を起用することを「固定しない」。確かにこれでは、チームとしての”芯”は生まれにくい。日本シリーズの第1戦で1番打者に池田陵真を起用した時には、「荷が重すぎる」と思ったほどだ。池田は池田なりに思いきりのいいスウィングを見せたが、チャンスメイクはできなかった。いいところなく敗れたことだけを見ると、この大舞台で1番打者を固定できていない現状は厳しく思えたのだ。
しかし、今日は真逆の結果を招いた。
初スタメン、ベンチ外からのスタートや打順変更、それらがうまくハマった。つまり、昨日は短所に見えたチームのスタイルが、この日は長所に移り変わったというわけである。
当然、それは相手も同じだった。
阪神はオリックスとは真逆で、メンバーが固定されつつある。怪我さえなければ1番・近本、2番・中野拓夢は鉄板だし、大山悠輔、佐藤輝明、ノイジーと続く4~6番はおよそ変わることはない。8番も木浪聖也に常に固定されていて、大きな変化はないのだ。
第1戦はその固定メンバーがうまく機能して、相手エースを粉砕することができた。
1番・近本、2番・中野のコンビが多くの安打を放ってチームに勢いをつけると、役割を熟知した選手たちがそれぞれ仕事を果たして、見事なゲーム運びを見せた。
ところが、今日は近本が徹底マークを受けた。3番に置いた森下翔太も機能せず、力無く敗れた。メンバー固定の弱点は、選手に求められる水準スキルがそれぞれに高いことだ。ルーキーであっても、スタメンである以上は試合展開に応じたプレーを瞬時に察知して、チームに貢献しなければならない。逆に、そこでマイナスなプレーをしてしまうと大きな痛手になる。それは、次の岡田監督の言葉からも読み取れる。
「結局、森下がキーになっている。何でゴロを打たんねやろな。あんなことをしたら初回から流れが変わってしまう。本人にどういう意図かは聞いてないから分からんけど、どういう考えで打っているかっていうことやからな。『エンドラン』のサインが出たらバッターはゴロを転がす。そこでフライをあげられるとガクッとくるよな。自分が打ちたい、それしかない」
固定メンバーのチームに求められることは極めてレベルが高い。ルーキーである分、多少は目をつぶってもらえるとはいえ、それでも厳しい言葉が指揮官から飛んでくるのは、個性を生かしてくれというのではなく、野球を理解して試合に出てくれということである。
1死からセデーニョがセンター前ヒットで出塁すると、頓宮がレフト前ヒットで続いてチャンスを拡大。その後、1死満塁とする。阪神はここで、この回からマウンドに上がっていた岡留英貴からサウスポーの島本浩也にスイッチしたが、中嶋監督は野口に代打ゴンザレスを送り、走者一掃のタイムリーで試合の大勢を決めたのだった。
改めて思うのは、前日まではベンチ外、あるいはスタメンから外れていた選手が突然の抜擢を受けて結果を残すという構図だ。西野、廣岡の両選手によれば、スタメンを知ったのはこの日の試合前だったという。
本来は心の準備さえできていない状態のはずだが、「シーズン中からそういうことも多いので、選手たちはみんな自分が出るつもりで準備しています。だから、戸惑ったりすることはない」と西野は言う。
中嶋監督はたくさんの選手を起用することを「固定しない」。確かにこれでは、チームとしての”芯”は生まれにくい。日本シリーズの第1戦で1番打者に池田陵真を起用した時には、「荷が重すぎる」と思ったほどだ。池田は池田なりに思いきりのいいスウィングを見せたが、チャンスメイクはできなかった。いいところなく敗れたことだけを見ると、この大舞台で1番打者を固定できていない現状は厳しく思えたのだ。
しかし、今日は真逆の結果を招いた。
初スタメン、ベンチ外からのスタートや打順変更、それらがうまくハマった。つまり、昨日は短所に見えたチームのスタイルが、この日は長所に移り変わったというわけである。
当然、それは相手も同じだった。
阪神はオリックスとは真逆で、メンバーが固定されつつある。怪我さえなければ1番・近本、2番・中野拓夢は鉄板だし、大山悠輔、佐藤輝明、ノイジーと続く4~6番はおよそ変わることはない。8番も木浪聖也に常に固定されていて、大きな変化はないのだ。
第1戦はその固定メンバーがうまく機能して、相手エースを粉砕することができた。
1番・近本、2番・中野のコンビが多くの安打を放ってチームに勢いをつけると、役割を熟知した選手たちがそれぞれ仕事を果たして、見事なゲーム運びを見せた。
ところが、今日は近本が徹底マークを受けた。3番に置いた森下翔太も機能せず、力無く敗れた。メンバー固定の弱点は、選手に求められる水準スキルがそれぞれに高いことだ。ルーキーであっても、スタメンである以上は試合展開に応じたプレーを瞬時に察知して、チームに貢献しなければならない。逆に、そこでマイナスなプレーをしてしまうと大きな痛手になる。それは、次の岡田監督の言葉からも読み取れる。
「結局、森下がキーになっている。何でゴロを打たんねやろな。あんなことをしたら初回から流れが変わってしまう。本人にどういう意図かは聞いてないから分からんけど、どういう考えで打っているかっていうことやからな。『エンドラン』のサインが出たらバッターはゴロを転がす。そこでフライをあげられるとガクッとくるよな。自分が打ちたい、それしかない」
固定メンバーのチームに求められることは極めてレベルが高い。ルーキーである分、多少は目をつぶってもらえるとはいえ、それでも厳しい言葉が指揮官から飛んでくるのは、個性を生かしてくれというのではなく、野球を理解して試合に出てくれということである。