☆再び戸柱の元へ
大阪桐蔭ではスマホを持つことも許されず「楽しみはFMラジオで聞く音楽でしたね。でも山奥なんで1局しか入らなくて。しかも演歌しかかからないような局でしたから、都はるみとか吉幾三とか歌えますよ」と苦笑いするなど、文字通り野球漬けで3年間の寮生活を送った。プロでも寮生活は変わらないが「自由に時間を使えますし、別世界ですね」と開放感は全く違うと吐露。そしてさらに翼を広げることができるオフは、青春真っ只中の若者にとっては誘惑に満ち溢れている。
しかし2年目から勝負をかける19歳は「シーズン終わってからすぐですね。戸柱さんに自主トレご一緒させていただきたいとお願いしました。あまり大人数ではやらないと聞いていたので不安でしたが、即決でいいよって言っていただいて。嬉しかったですね」と厳しさ覚悟で“戸柱塾”へ入門した。
年明け間もない4日から「貪欲でストイックなトバさんと、朝8時から3時すぎまで1日中動き回りました」とハードに身体を動かし続ける日々を送り、戸柱“師匠”がAmazonで購入した「色々な形や重さのボールや、小さなミットなど」を活用したトレーニングを敢行。「キャッチングではボールへの入り方や見方などを教えていただきました。フレーミングまではいけませんでしたけど」としながらも「基礎の部分で足りていない部分を押していただき、本当に役に立ちました」と感謝。「バッティングでも自分は前にズレていってしまうので、下に力をいれて軸を意識してみればと言っていただきました。しっくりきましたね」と攻守ともに的確なアドバイスをもらった。
食事でも「栄養面でも色々考えて頂いたメニューで、しかもうまいんですよ」と声を弾ませたが、一番心に刺さったのは思考の部分。特に「実は朝がすごく苦手だったんですけど、トバさんは朝早いので。やはり先輩より後輩があとに行くわけにはいかないので…」と早寝早起きを実行し、先にトレーニングをスタートさせた。起床を克服できたことで「トバさんが次は『ずっと早くからやっていると時間が余ってしまうから、もっと時間を有効に使うことを考えなさい』と。自分のやりやすいように、自分には何が一番いいのかを常に考えてくれていました」と細やかな気遣いに感動。「厳しくも、楽しかった」と振り返る、充実した3週間弱を過ごした。
寮を含む球団の複合施設“DOCK"に戻ったいまも「朝早く始動していますよ。ルーティンになっているので」と“朝練"を継続中。「身体が動きやすくなって、パフォーマンスも上がってきますよね。練習への1本目の入りがぜんぜん違うんですよ」と目を輝かせた。
☆師匠超えが恩返し
今シーズンの目標は「一軍でレギュラー。夢を大きく持ってガツガツ行きたいですね」と高く設定。「トバさんはキャンプ二軍スタートで、ぼくは一軍スタートですけど、途中で入れ替わりにしないようにしないと」とまずは2年目で余裕を持って挑む春季キャンプでアピールし、一軍定着を目指す。
そのうえで「ホントに男としてかっこいいんで。おとこはさんずいの“漢"です。トバさんみたいな人になりたいと強く思います。」と慕う師匠を「乗り越えないといけないですからね」と決意した松尾汐恩。
「今年はやってやりますよ」2年目のレギュラー獲りへ向け、一気に飛躍の年にして見せる。
取材・文●萩原孝弘
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大阪桐蔭ではスマホを持つことも許されず「楽しみはFMラジオで聞く音楽でしたね。でも山奥なんで1局しか入らなくて。しかも演歌しかかからないような局でしたから、都はるみとか吉幾三とか歌えますよ」と苦笑いするなど、文字通り野球漬けで3年間の寮生活を送った。プロでも寮生活は変わらないが「自由に時間を使えますし、別世界ですね」と開放感は全く違うと吐露。そしてさらに翼を広げることができるオフは、青春真っ只中の若者にとっては誘惑に満ち溢れている。
しかし2年目から勝負をかける19歳は「シーズン終わってからすぐですね。戸柱さんに自主トレご一緒させていただきたいとお願いしました。あまり大人数ではやらないと聞いていたので不安でしたが、即決でいいよって言っていただいて。嬉しかったですね」と厳しさ覚悟で“戸柱塾”へ入門した。
年明け間もない4日から「貪欲でストイックなトバさんと、朝8時から3時すぎまで1日中動き回りました」とハードに身体を動かし続ける日々を送り、戸柱“師匠”がAmazonで購入した「色々な形や重さのボールや、小さなミットなど」を活用したトレーニングを敢行。「キャッチングではボールへの入り方や見方などを教えていただきました。フレーミングまではいけませんでしたけど」としながらも「基礎の部分で足りていない部分を押していただき、本当に役に立ちました」と感謝。「バッティングでも自分は前にズレていってしまうので、下に力をいれて軸を意識してみればと言っていただきました。しっくりきましたね」と攻守ともに的確なアドバイスをもらった。
食事でも「栄養面でも色々考えて頂いたメニューで、しかもうまいんですよ」と声を弾ませたが、一番心に刺さったのは思考の部分。特に「実は朝がすごく苦手だったんですけど、トバさんは朝早いので。やはり先輩より後輩があとに行くわけにはいかないので…」と早寝早起きを実行し、先にトレーニングをスタートさせた。起床を克服できたことで「トバさんが次は『ずっと早くからやっていると時間が余ってしまうから、もっと時間を有効に使うことを考えなさい』と。自分のやりやすいように、自分には何が一番いいのかを常に考えてくれていました」と細やかな気遣いに感動。「厳しくも、楽しかった」と振り返る、充実した3週間弱を過ごした。
寮を含む球団の複合施設“DOCK"に戻ったいまも「朝早く始動していますよ。ルーティンになっているので」と“朝練"を継続中。「身体が動きやすくなって、パフォーマンスも上がってきますよね。練習への1本目の入りがぜんぜん違うんですよ」と目を輝かせた。
☆師匠超えが恩返し
今シーズンの目標は「一軍でレギュラー。夢を大きく持ってガツガツ行きたいですね」と高く設定。「トバさんはキャンプ二軍スタートで、ぼくは一軍スタートですけど、途中で入れ替わりにしないようにしないと」とまずは2年目で余裕を持って挑む春季キャンプでアピールし、一軍定着を目指す。
そのうえで「ホントに男としてかっこいいんで。おとこはさんずいの“漢"です。トバさんみたいな人になりたいと強く思います。」と慕う師匠を「乗り越えないといけないですからね」と決意した松尾汐恩。
「今年はやってやりますよ」2年目のレギュラー獲りへ向け、一気に飛躍の年にして見せる。
取材・文●萩原孝弘
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