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プロ野球

【中日】今季初実戦は1回5失点… 2年目のドラ1右腕・仲地礼亜がこだわる「押せる真っ直ぐ」

岩国誠

2024.02.15

 1回を投げ終えるとそのままブルペンへ直行。一軍から帯同していた大塚晶文投手コーチが見つめる中、約50球を投じた。すぐに修正点を確認するためだった。

「やはりクイックがあまりハマっていなかったので、そこを多めにやりながら、クイックの時にはどれくらいの感覚で投げたらいいのかなど、大塚さんに見てもらって、話しながらやっていました」
 
 自らの課題と向き合いながら、大塚コーチと頻繁に言葉を交わし、時折笑顔を見せていた。さらには、設置されている計測機器トラックマンのデータをタブレットで、何度も確認する場面があった。

「自分が良かった感覚の真っ直ぐの数値を見たり、あとは変化球の軌道や、リリースポイントを見ていました。特に何かを変えるというよりかは、どういう感じなのかなというところで見ていました」

 ブルペンで仲地の投球データを計測していたのが、自身も一軍登板を経験している元投手・佐藤充スコアラーだ。投球後には、仲地とともにその数値を見ながら、長い時間言葉を交わしていた。

「本人が試合に行く前と、戻ってきてからのボールの違いを確認したいということでした。本人がやっている感覚の部分と、実際の数値とのすり合わせというところです。フォーム的な部分は大塚コーチと一緒にやっている部分がありますし、そこの部分は数字に反映はされないのですが、数字を見ると一般的にはこういうボールになっているよという話はしたりしています」

数値の面から見ても、今の仲地が取り組んでいることは良い方向性だと佐藤スコアラーは後押しする。

「ボールの質はそんなに悪いストレートではないので、もっと積極的に使って行った方がいいという話はしています。彼の特徴であるツーシームやスライダーという武器を活かす意味でもストレートは投げないといけないと思うので(今の取り組みは)僕も賛成です」

「次回は変化球も交えながら」と話していた仲地だが、13日に行なわれたシート打撃でも、強いストレートを積極的に使う姿が目についた。ルーキーという肩書が取れた2年目の仲地が、自身が目指す投球スタイルを確立できれば、中日の開幕ローテーション争いがより面白くなってくるはずだ。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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