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プロ野球

「めちゃくちゃいいバッター」初実戦でポール直撃弾の西武新外国人アギラー。松井監督や同僚が感じた新4番候補のポテンシャルとは?

岩国誠

2024.02.20

パワーとともにバッティングの巧さも見せつけた。写真:岩国誠

パワーとともにバッティングの巧さも見せつけた。写真:岩国誠

 打つ方では3打数1安打だったが、一塁の守備でもスタンドを沸かせた。

 白組4人目・松本航(27)が6回、無死一、二塁とピンチを招く。バントシフトが敷かれ、一塁手のアギラーはかなりの前進守備をとった。それを見た打者の山野辺翔(29)が一転ヒッティングに切り替える。さらに前進するアギラーを強烈な打球が襲ったが、素早く反応しライナーでキャッチすると、慌てて帰塁する一塁ランナーより先に自ら一塁ベースを踏んでダブルプレーを完成させ、窮地を救った。
 
「アメリカに比べると、日本の野球はバントやランナーを動かすことが多いので、そこにちゃんとアジャストして、遅れないようにと心がけていました。守備も(自分の)売りだと思っているので、1年間健康で、守備でもバッティングでもチームに貢献したいなと思っています」

 初実戦から攻守で頼もしさを見せた新4番候補の姿は、松井稼頭央監督の目にどう映ったのか。

「(本塁打は)見事だったね。インコースのちょっと難しいところだったと思うけど、素晴らしかった。その後の打席の内容も非常によかったと思います。(守備では)山野辺の打球はね、ちょっとドキッとしたけどね。(反応が)早いね、早すぎるでしょ(笑顔)。本当に楽しそうにやってくれているので、そのままやってもらえればいいと思います」

 チームに合流してから約2週間。松井監督が言うように、陽気な一面を出して周囲に笑顔を振り巻きながら、本当に楽しそうにこのキャンプを過ごしている印象がある。この日の試合でも、イニング間には観戦に来ていた地元の野球チームの子供たちへボールを投げ入れたり、自身のファインプレーで帰塁できず、一塁で起き上がれなかったランナーの古賀悠斗(24)を軽々と担ぎ上げて起こすなど、お茶目な一面を見せることは多い。

 しかし、練習ではしっかりと意図を持って取り組んでいる姿がある。試合前の打撃練習、ティーバッティングでは右手のみから初め、続いて左手のみ、そして両手打ちへと移行していくのだが、打球をネットの正面にではなく、右方向へ意図的に打っているように見えた。得意だと言うボールへのコンタクトの意識しているのかと尋ねた。

「そうですね。バットのヘッドがホームベースのできる限りストライクゾーンを通るような練習方法で、それは(試合で)自分のスイングができるための準備でもあるので、そういう感じでやっています」

 その後のフリー打撃では、アウトコースのボールは同じく右方向へ飛ばしていたが、インコースは一転、引っ張って強い打球を飛ばしていく。

「ちゃんと外のボールは(右方向へ)流して、インコースは引っ張るという意識でやっています。プロになってからも同じような意識で打っていて、それでメジャーリーガーにもなりましたし、結果も出ているので、それが自分のスイングをするために欠かせないことなのかなと思っています」
 
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